陸運とは、陸上の輸送機能により貨物や旅客を運ぶことです。
輸送や運送の方法はいろいろあるものの、産業品・宅配便など、扱うことのできる品目が多いことがメリットですが、大量輸送には不向きといえます。
顧客や地域によって様々な業務を担い、国内物流において欠かすことのできないトラック運送が陸運の代表といえるでしょう。
そこで、陸運について、トラック運送業の抱える問題や倉庫の役割を簡単に紹介していきます。
国内の物流事業では、トラック運送事業が全体の6割程度を占めています。
貨物総輸送量ではトラックなど自動車が9割以上を占めているため、日本の物流市場においてトラック運送は欠かせない存在です。
近年のECサイトの普及においてトラック運送が取り扱う個数も増えているものの、規制緩和で新規参入事業者も増加傾向にあるなど、競争激化を見せている業界といえます。
高速道路使用料の負担や燃料費の高騰、CO2排出などの環境問題への取り組みの重要性といった色々な問題を抱えつつ、若い世代の入職者不足で既存のドライバーも高齢化するといった人材不足の問題も抱えています。
陸運は倉庫の業務との関係も重要といえるものの、在庫削減やジャストタイム生産システムなどによるリードタイム軽減で、倉庫へ保管する期間を抑えるケースも増えつつあります。
多品種小ロット化している荷物に対し、労働力不足で現場は人手が足らず、需要と供給にずれが見られます。
さらに環境に対する配慮なども求められているため、大量輸送できる鉄道や船舶を使用する「モーダルシフト」や、届け先が同じ複数のメーカーなどが荷物を持ち寄って共同で配送する「共同配送」などが注目されつつあります。
連携・協力の仕組みを構築することで、物流を省力化・効率化できれば、人材不足でも現場がまわるようになるでしょう。
また、流通倉庫や物流センターを介さずに、一定単位の発注を受けて小売店まで直接運ぶといった輸送を行うケースも見られます。
通常、商品は工場から倉庫・流通倉庫・物流センターへパレットに載せて輸送されます。
物流センターでカゴ車に積み替え、小売店舗へと届けられることが一般的です。
しかし倉庫を不要とすることで、積み替え作業などの労力や経費を減らし、トラック輸送を省くことを可能とします。
今後も様々な仕組みが構築されることが予想されます。