海上輸送は海運とも呼ばれる輸送方法で、海を渡る船で貨物や旅客を運ぶことです。
物流は生産者から消費者へと商品が届けられる一連の流れであり、そのルートには比較的身近といえる陸運以外にも、空や海を使った方法もあります。
日本は四方を海に囲まれた島国のため、海を使った海上輸送は輸出入において欠かせない手段といえるでしょう。
そこで、海上輸送について、日本の輸出入で多く利用される理由を簡単に紹介します。
「海上輸送」とは海運のことであり、海の上から船舶で貨物・旅客を運ぶことです。
メリットとしては、陸運や空運よりも一度に運ぶことのできる量が多いことと、輸送コストが他の運輸手段より安いことといえます。
ただし積み下ろしの港が必要なことや、政情不安などで港自体使用できなくなる恐れがあること、また輸送時間が長いことはデメリットです。
デメリットはあるものの、やはりメリットのほうが大きいため、今日の物流業界ではメインの運送手段として扱われています。
経済活動や人々の生活を支えるインフラとして、海上輸送は極めて重大な役割を担う存在です。
日本の輸出入はほぼ100%、海上輸送に頼っています。
輸出入合計99.6%が海上輸送であるのは、輸送スピードは空輸に劣っていても、大量の荷物を一度に低コストで運ぶことが可能であることにメリットがあるからです。
海外との輸出入だけでなく、国内でも長距離輸送では海上輸送がメインになっており、たとえば東京と大阪間に相当する距離である500km以上の輸送では、半分以上が海上輸送で運ばれています。
ECサイト利用による個人宅配などの小口輸送は陸上輸送がメインとなっている一方で、店頭に並ぶ食料品・日用品・産業用資材や燃料などは大量に輸送するため、海上輸送が多く利用されています。
海上輸送が多く利用されるのは、大量に安価でモノを運ぶことができるからです。
効率的な輸送手段として、世界のいろいろな国から生活に欠かせない衣料・食品・原油・ガスなどが運ばれています。
日本で製造した自動車・半導体等電子部品などの輸出においても、貿易手段として最も多く船が使われているため、海上輸送メインであるといえます。
周囲を海で囲まれた島国の日本では、船を活用した海上輸送なしでモノを大量に運ぶことは考えられないともいえるでしょう。