貨物が荷主から集荷された後は、一旦トラックターミナルに運ばれて行き先ごとに仕分けられます。
運送や物流の分野で欠かせない場所ともいえるのがトラックターミナルですが、業務効率化や安全性確保においても重要な存在です。
そこで、トラックターミナルについて、種類や役割、解決が求められる課題について紹介します。
「トラックターミナル」とは、トラック物流での拠点や中心地としての役割を担う施設です。
大量の貨物を荷扱場(バース)と呼ばれる接車ホームで、行き先方面ごとに積み替えを行う施設であり、物流拠点として全国各地に整備されています。
国土交通省の「自動車ターミナル法」では、トラックターミナルは以下の2種類に分けられています。
・一般トラックターミナル(不特定多数の事業者が利用できる公共施設で、設置には国土交通大臣許可が必要)
・専用トラックターミナル(運送事業者が自社利用のために設けるトラックターミナルであり、設置に国土交通大臣の許可は不要)
トラックターミナルの「役割」について、全国トラックターミナル協会では以下としています。
・荷捌き場としての役割(貨物を送り先の地域ごとへ仕分けを行い積替える機能と、小口貨物をまとめてロット貨物に仕立てる混載機能)
・配送センターとしての役割(貨物を一時保管する機能と、需要ごとに加工・包装・小分けなどを行う流通加工機能)
以上のことから、トラックターミナルは、物流の効率化には欠かせない重要な施設といえるでしょう。
物流・運送の効率化には、トラックターミナルの抱える課題を解決することが必要です。
トラックターミナルは大型トラックにも対応が必要であるため、一定の広さを必要とします。
そのため設置においても建築コストが高くなり、工期も長期に及ぶと考えられるでしょう。
屋根で広い面積を覆うことが必要となり、外光が届きにくいため、大量の照明も必要です。
設置するときだけでなく、ランニングコストも高額になるといった問題もあり、さらに広い施設では屋根や外壁の清掃が難しく、汚れが溜まれば景観を損ねます。
建物も傷みやすくなってしまうため、たびたびメンテナンスなどが必要になり、手間やコストがかかります。
これらの課題を解決し、物流・運送の効率化を図ることが求められています。