
運送業界で働くドライバーの、労働条件や所得水準は厳しい状況です。
すべての産業平均と比べると、運送業界は労働時間が長めであるのにもかかわらず、賃金水準が低めといえます。
構造的に低所得者層を生み出しやすいといえるため、運送業界と低所得者層の抱える問題や、物流貧困化の背景と対策を解説します。
運送業界は、低所得者層を生み出しやすいと考えられます。
その背景には、ドライバーが労働時間に見合う十分な収入を得られない以下の要因が関係します。
・重層下請構造による収入低減
・運賃交渉の難化による低賃金労働
・歩合給依存による収入不安定化
元請けから、何段階もの下請けを経て仕事を請け負うと、下層の運送会社に入る運賃は削られます。
このピラミッド型の重層下請構造による受発注の仕組みは、ドライバーの給与原資を著しく減少させる要因になっています。
荷主に仕事を打ち切られることを恐れ、強気な運賃交渉ができない運送会社も少なくありません。
低賃金労働に依存するしかない構造で、運賃の低位が続いています。
基本給が低く設定され、歩合給・残業代・運行手当を上乗せしなければ生活できないケースもめずらしくありません。
運送会社のドライバーは、労働時間を是正する法改正や世界的なインフレで、結果的に困窮へ追い込まれています。
具体的には、以下の要因が関係します。
・残業規制に伴う手取り収入減少
・生活必需品の値上げによる負担増
・副業で生活を維持する身体負荷
労働時間の上限が厳格化されたため、残業代で稼ぐことができなくなり、低所得化に拍車がかかっています。
可処分所得が減少する一方で、物価高騰がドライバーの家計を圧迫しています。
運送業の収入だけでは家族を養えないため、アルバイトなどのダブルワークで生計を維持するケースも増えています。
運送会社の労働者が低所得にならないために、魅力的な職場へと生まれ変われる抜本的な改革が必要です。
政治の定めた適正運賃を受け取り、増額分はドライバーの基本給底上げへ還元しましょう。
また、ITツールによる管理を行えば、無駄な荷待ち時間を削減できます。
短時間で効率的に稼ぐことのできる環境を整備し、低所得で入社した労働者でも早期に稼げる好循環を作ることが必要です。