インターネット通販などで物流が大きく変化し、大都市での物流拠点のニーズは今後も高まることが予想されます。まさに都市物流を効率化するといってもよい、トラックターミナルの再開発が必要となっている状況といえるでしょう。
それに対応するかのように、これまでトラックターミナル機能を中心としていた日本自動車ターミナル(JMT)は、新しい物流ニーズに対応するといった取り組みをはじめ、高機能型物流施設といわれるダイナベースを完成させました。
トラック輸送は国内物流の約9割を支えている状況であり、特に長距離幹線輸送はモノの流れを根底で支えています。
日本自動車ターミナルは1965年に設立されてから、長距離を走る特積事業者に対しトラックターミナル機能を提供し、地方と東京との物流や経済の活動をつないできました。
東京23区内や環状7号線の外周部には4か所の広いトラックターミナルを構えており、都内を走る集配と幹線車両の積み替え拠点として、都市内物流を効率化させることに大きく貢献してきたのです。
その日本自動車ターミナルは2015年に創立50周年を迎え、大きな節目となる次の50年を見据えた上で、大型施設として誕生させたのが大田区平和島の京浜トラックターミナル内の「ダイナベース」です。
高機能型物流施設といわれるダイナベースですが、日本自動車ターミナル初のマルチテナント型の高機能型物流施設となっています。
物流の一等地といえる平和島で、都内有数の規模を誇る地上5階建て、延床面積約9万77千㎡という広大な大型施設であり、竣工前には完売されています。
施設の2階から5階までという大型契約を結んだ東邦ホールディングスは、都心部からの近さなど立地の優位性と、災害対応力を高く評価して決めたとされています。
京浜トラックターミナルは国や東京都から災害が発生した際の支援物資輸送拠点として指定を受けており、72時間連続して運転できる非常用発電設備なども設けられています。
発災が発生したときの事業継続性が高く担保されていることや、免震構造を採用している点での建物の安全性などが魅力として感じられたようです。
特に東邦ホールディングスは、医薬品卸がメインのため安定した供給が必要です。ダイナベースはまさに理想ともいえる条件がそろっていますし、近くに多くのトラックがあるので給油所も併設されているなど、希少性やメリットは高く評価されているようです。