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物流担当者が知っておきたい利用客の利益を保護する倉庫業法とは?

2020.06.16
分類:その他

自社商品を保管する先、インターネットサイトの出荷代行委託先などを選ぶ物流担当者の方は、倉庫の利用客の利益を保護する法律である「倉庫業法」の内容を把握しているでしょうか。

倉庫は自家用と営業用に大きく分類されますが、営業倉庫に対するルールを規定しているのが倉庫業法です。

倉庫業法の趣旨は利用客を守ること?

倉庫業法の趣旨は、倉庫業者(物流業界)に対し倉庫業を営むときのルールや基準を設けることによって、倉庫を利用する利用客である荷主企業が不利益を被らないよう保護をすることなのです。

倉庫業法が示す倉庫業とは、倉庫で物品を預かるサービスのことを指しています。付随的に行う保管サービスなどは例外として除かれますので、クリーニング店などが利用客から預かった衣類を保管し、長期間受け取りにきてくれなかったので保管料を請求するケースなどは倉庫業には該当しないこととなります。

 

倉庫業法で押さえておきたいポイント

倉庫業法のポイントとして挙げられるのが、倉庫業は登録が必要な事業であるため、国土交通大臣の登録を受けていなければ倉庫業を営むことはできない点です。

登録するためには倉庫業法に従い、様々な基準をクリアしなければなりません。

その基準として挙げられるのが、

・対象となる倉庫が倉庫業を営む倉庫として建築確認を受けている

・倉庫の施設や設備が一定基準に適合している

・倉庫管理主任者が選任されている

・倉庫寄託約款を定め届出を行っている

などです。

倉庫業界が健全に発展することを目的とし、登録を受けた営業倉庫以外で倉庫業の営業を行うことも禁止しています。

 

自家用倉庫に荷物は預けないこと!

さらに営業倉庫ではない自家用倉庫を利用した場合には、防犯・防災面で一定の品質が担保されなくなると留意しておくべきです。

貨物に対する保管責任は倉庫業者が負うことになるので、営業倉庫に預けていたのなら万一の際には倉庫業者が責任を負ってくれることとなるでしょう。

しかし、営業倉庫ではないたとえば自家用倉庫などに商品を預けてしまったときには、そもそも基準を満たしていない倉庫ですので、責任を取ってほしいと訴えても無視される可能性があります。

倉庫業登録を取得せずに倉庫業として営業すれば、無登録営業となるので1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金の対象です。

そのような事業者を利用しないように、必ず正規の登録を済ませた倉庫業者に大切な荷物を預けるようにしましょう。