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物流業界の工場などで使われるケーブルを交換する際の注意

2020.07.13
分類:その他

物流業界でもよく見かけることの多いケーブル。たとえば倉庫の昇降や走行クレーンなどで使われている部品ですが、その種類や特徴などをご存じでしょうか。

実際に工場内などでどのようなケーブルが使われているのか、交換の際にはその種類や特徴などを把握しておかなければトラブルが発生してしまいます。

倉庫の昇降や走行クレーンで使われるキャブタイヤケーブル

作業現場などにおいて、通電状態のままで移動できる電線がキャブタイヤケーブルです。

辻馬車(キャブ)のタイヤのような丈夫なゴムが被覆しているためにつけられた名称ともいわれていますが、絶縁の被覆に使われる素材はゴムだけでなくビニール系のこともあります。

工場の中に釣り下がるクレーンや、倉庫の昇降、走行クレーンなどに主に使われているケーブルがこのキャブタイヤケーブルです。

キャブタイヤケーブルの種類

キャブタイヤケーブルは作業現場で通電状態のまま、移動可能とする電力供給ケーブルを指しています。

地球環境に配慮するには、素材を環境対応できるゴム系素材に改良されたゴム系エコキャブタイヤケーブルが用いられることが望ましいといえるでしょう。

ただ、キャブタイヤケーブルは何に用いるのか、使うケーブルの種類や周囲の温度などで許容電流が異なってきます。

中でもPNCTと呼ばれるゴムキャブタイヤケーブルは、クラスや種別によって2PNCT3PNCT4PNCTと分かれます。

PNCTは鉱山や工業、農業などで用いられる屋内・屋外での600V以下の移動用電気機器や、配線、これらの類する用途に使われているキャブタイヤケーブルです。

 

対応できるのは2PNCT

たとえば自動倉庫で使われている2PNCTとして、大型倉庫内の各種クレーン、冷凍倉庫内の各種クレーン、バケット保管用立体自動倉庫内の各種クレーンなどが挙げられます。

倉庫の移動クレーンの給電用や制御用として使われていますが、昇降と走行の2種類のクレーンの給電用と制御用に適しているケーブルといえるでしょう。

ただし2PNCTが適していない場所などに注意

走行を伴うクラッチ付リールでは一般の2PNCTは適していないので、使用して1年足らずでケーブルにコブができてしまい、ねじれや断線、火花発生といった現象がみられることもあるようです。

さらにカーテン用キャブタイヤケーブルを間違ってキャリア用として使ってしまったことで、2PNCTにうねり現象が発生したという例もあるようですので、種類の選定ミスのないように注意しましょう。

そして冷蔵庫など温度が低いところでは、耐寒性のある2PNCTを使わなければ、シースが破損するといったトラブルが発生することもあります。