運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

先進的な物流施設への需要が高まっている背景には何がある?

2020.08.13
分類:その他

最近では先進的な物流施設への需要が高まっている状況ですが、その背景には物流事業者や荷主企業が積極的に物流機能を強化しようとしているからでしょう。

革新的な物流ネットワークが構築されようとしている背景には、物流を必要としているニーズ層が変化していることが挙げられます。

インターネット通販市場が拡大され、晩婚化や核家族化で単身世帯が増え、さらに消費者の購買スタイルも変わったことを背景に、小口で頻度の多い輸送ニーズが高まっているからです。

大量の荷物を効率的に処理・保管できる物流施設への需要

物流へのニーズの変化は、供給面においてもこれまでとは違う部分が見られます。

荷主企業は店舗網を拡大させることや、運営を効率化させるために保管や輸配送の機能を高度化する取り組みを進めています。

物流事業者も大量の配送物を、時間をかけずに処理することを可能とするのに加え、保管・流通加工などの機能が備わった物流施設を新設するようになりました。

 

EC市場の急成長

インターネットでの買い物利用者が増え、EC市場の規模はコンビニエンスストアを上回るほどとなっています。

スマートフォンやタブレット端末などが普及したこともEC市場成長の背景にありますが、実際、荷主側の小売業ではインターネット通信販売が増えたことで個人向け宅配が急増しています。

小口で頻度の多い輸送が増えたことに加え、コンビニや小型スーパーなども増加していることから、さらに小口・多頻度の輸送ニーズは拡大しているといえるでしょう。

すでに宅配便市場は成長期から成熟期に移行し、大量に商品輸送を行う分野でのシェア拡大が重要な鍵となっています。

そのため大量の配送物を、時間をかけずに処理でき、さらに保管・流通加工機能などが備わった規模の大きな物流施設が必要とされ、新設が増得ている状況です。

 

今後物流はどのように変化する?

国内物流不動産関連企業でも積極的に投資する姿がみられ、首都圏から地方都市へとその傾向は拡大しています。

この背景には製造小売業などが物流変革を起こしているからであり、EC市場が高成長を維持しながら小口・多頻度の輸送が増加させていることが挙げられます。

不動産物流の需要も堅調な動向がみられますが、開発余地はまだ残されているので中期的にみても底堅い需要と成長していくことが見込まれます。

しかし賃料が上昇することも考えられるため、テナントや消費者から見れば懸念される材料となっているともいえるでしょう。