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物流に影響する消費税増税によりどのような効果があったのか

2020.10.06
分類:その他

2019101日から消費税率は8%から10%に引き上げとなりましたが、増税によってこれまでよりも負担が増えないように、軽減策が用意されてきました。

物流にも影響を与える部分といえますが、たとえば飲食料品や新聞は8%のままとする軽減税率の導入や、幼児教育や高等教育の無償化、キャッシュレス決済のポイント還元などが主に挙げられます。

住宅関連では住まい給付金に次世代住宅ポイントの付与といった対策が行われ、自動車業界でも自動車税の減税や環境性能割など様々な施策が導入され増税の影響を軽減させようとする仕組みが多く見られました。

消費税増税の影響や効果

物流業界にも影響を与える消費税の増税ですが、消費増税の経済的効果は主に代替効果・所得効果・節約志向効果の3つと考えられています。

代替効果として、増税前に駆け込み需要と増税後の消費冷え込みが挙げられます。

所得効果は可処分所得に変化が見られないとき、増税した分消費水準が下がることを示します。

そして節約志向効果は、増税後に体感物価上昇率が上昇し節約志向が高まることを指しています。一般的に体感物価上昇率が高まれば下がりにくく、長期に渡り消費の伸びが停滞する傾向が見られます。

 

駆け込み需要による影響

駆け込み需要だけを見ると特に高額商品に顕著にその傾向があらわれたとされています。

消費税が3%から5%に増税されたときには、生活必需品などにも広く影響が出ました。

8%に増税直前に発行された広告やチラシなどは「税」や「まとめ」などの文言が組み込まれ、「消費税還元セール」といった文言を法律で禁止したのに近い表現が多数報告されていたのです。

10%増税では過剰な反応はなく、「2%値下げ」など増税に関連していない文言であれば問題ないとされていました。柔軟な姿勢で増税前後の需要安定に配慮した形といえるでしょう。

 

消費税増税だけでなく新型コロナでも節約志向が高まることに

また、節約志向効果はそもそも日本経済自体が緩やかなデフレ傾向だとされていたのですが、今回の新型コロナウイルスの影響が消費税増税よりもさらに大きな節約志向を招くこととなったといえます。

仕事などもこの先どうなるかわからないと不安を抱える人が増え、就職先を探しても見つからないといった状況となっています。

収入が途絶えてしまう、または減少してしまうことにより、できるだけお金を使わずにいようという心理が働くのは仕方のないことでしょう。110万円の定額給付金の使い道も、多くの方が使わず貯金しているとこたえていることからも、節約志向が高まっていることが確認できる状況です。