国土交通省は公共事業として、2020年6月3日に日アセアン交通連携の枠組のもとでラオス国立大学の学生・ラオス公共事業運輸省などに物流に関する集中講義を実施したことを発表しました。
この集中講義は今回で3度目となり、SGH財団の協力のもとで佐川グローバルロジスティクスの教育担当者である社員3名が講師となり行われたものです。
物流専門家により物流実務の知識やノウハウが提供されたことで、受講者からも前回までに引き続き高く評価されたとされています。
そしてSGH財団とラオス公共事業運輸省との間では、今後も講義を定期的に継続して行うとする協力覚書を締結したようです。
実施された集中講義でラオス公共事業運輸省の職員に紹介されたのは、日本の物流政策の立案方法や物流に関連する法律などです。現地の物流事業者などにはフォークリフトの運転方法や物流オペレーション、倉庫管理などのレクチャーが行われ、ラオス国立大学の学生にも5S・人員や顧客管理における業務改善方法などが伝えられたとされています。
受講者とラオスにおける物流品質改善に向け意見交換が行われたようです。
ラオスで新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されたのは2020年3月下旬ですが、4月には外出禁止や工場操業停止など伴うロックダウンとなりました。
それにより国境が封鎖され、工場が停止されたことでサプライチェーンは混乱を招くこととなり、輸出は減少し失業率は拡大し、税収低下で財政赤字も増え対外債務の支払い膨張などいろいろな問題が顕在化してしまいました。
2月上旬には中国人に対するアライバルビザ発給の停止、3月中旬になると国境が閉鎖されましたが、商品輸送のためのトラックやドライバーの出入国は認められています。
物流は停止されなかったことで、4~5月では1日平均タイからは950人、ベトナムからは620人、中国からは90人という輸送関係者が物流維持のため入国しています。
正式な通関手続きを経た輸出入という貿易とは別に、地方国境を介した食料品・日用品・農産物などの小規模な貿易は広く行われてきました。しかし3月中旬から地方国境も閉鎖されたことで、小規模な輸出入も停止となり地方から周辺の国に対する流通を停止させている状況です。
新型コロナウイルス感染症を拡大させないために必要な措置ではあるものの、農産物が輸出できないことで地方経済には大きなマイナス影響を与えていると考えられています。