少子高齢化社会である日本では、福祉や医療の問題についてもいろいろな分野で対策が検討されています。物流においても過疎化が進んでいるエリアなどでは、日用品宅配や生活支援サービスなどの需要が高くなっており、物流と介護を融合させ高齢化社会に対応していこうとする新しいサービスの提供が注目されているところです。
そこで高齢化社会に対応するために、物流業界ではどのようなサービスが展開されているのかご紹介します。
郵便局のみまもり訪問サービスは、高齢者とその家族が安心に生活できるようにと、月1度30分程度、郵便局社員が高齢者宅を訪問するというものです。
高齢者との会話の中で生活状況を確認し、ヒアリングの結果を自治体や家族にメールで伝えてくれます。
世帯に直接訪問する生協の個配事業では、その特性を生かして宅配の際に組合員や高齢者の異変に気がついたとき、行政など事前に取り決めておいた連絡先に連絡・通報を行うという内容になっています。
佐川アドバンス株式会社はSGホールディングスグループの法人ですが、専門の訓練を受けて資格を取得したトラベルヘルパーが旅行に同行し、介護を必要とする高齢者や家族が安心して外出や旅行を楽しむことができるサービスを提供しています。
そして2020年6月22日からは、ヤマト運輸が高齢者の見守りにIoT電球を活用する実証実験を開始しました。
高齢者の自宅にIoT電球を設置しておき、点灯や消灯の状況から安否を確認するというものです。
電球が一定時間において点灯・消灯されない場合には、翌日に指定した親族や知人のメールアドレスに異常検知を知らせてくれます。
IoT電球がメールを発信した後、親族や知人や高齢者の安否確認を取れない場合には、ネコサポの地域拠点である「ネコサポステーション」に高齢者宅の訪問を依頼するというものです。その後、スタッフが高齢者宅で安否を確認し、万一異常があれば地域包括支援センターや警察などに連絡してくれます。
ヤマト運輸とIoT電球を開発業者であるハローライトによるもので、もともとヤマト運輸は地域住民生活サポートサービスとして「ネコサポ」を展開中です。
まずは東京都多摩市エリアのネコサポ会員を対象として、一人で生活する高齢者の安否確認を行うための機器やサービスの有効性について検証を始めるとされています。