運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

時代に合った経営に活用したい物流経営士資格の認定制度とは?

2020.12.04
分類:その他

トラック運送事業は物流を支える生命線としての役割を担っていますが、その一方で経営実態は規制緩和での競争激化や燃料費高騰に加え、ドライバー不足やCO2削減といった環境問題への対応を強いられるなど、厳しさを増している状況です。

産業・流通・消費などの構造も変化し、高度なIT技術が進歩する中での物流体系の変革といった様々な環境に対応しなければならなくなっています。

そこでこのような環境変化を踏まえた上で、トラック運送事業の人材育成と競争に耐えることができる経営体質構築を目指すことが必要です。そのためにも、新たな物流時代を乗り越えるスキルが身につく「物流経営士」という資格認定制度が注目されています。

物流経営士資格認定制度とは?

物流経営士という資格認定制度は、トラック運送事業が健全に発展すること、経営の資質向上を目的として平成10年から創設されている制度です。

物流経営士資格認定講座を受講し、全課程を修了後、試験に合格すれば全日本トラック協会から「物流経営士」の資格が授与される仕組みとなっています。

主な流れとしては、

①全日本トラック協会の承認を受けた物流経営士資格認定講座実施機関(各都道府県のトラック協会など)で実施される資格認定講座を受講

②物流経営士資格認定講座を受講後に試験を受験

③合格通知を受けた後に物流経営士の資格付与

となっています。

 

具体的にどのようなことを学ぶことが可能?

専門講師が経営の基礎から物流の方向性など、幅広い知識を体系的に指導してくれるため、視野を拡大させながら人・物・金という企業経営に欠かせない項目を効率的に運用できる手法を学ぶことができます。マネジメントや営業能力に加え、プレゼンテーション能力も向上させることができるため、今後の営業や交渉の場面で役立つこととなるでしょう。

そして新たな分野からのロジスティクスニーズに対して、素早く有効な情報を見いだしながらビジネスチャンスを逃さない能力も身につけることができます。

さらにIT化が進む中でITツールを活用することも企業経営において求められていますが、データ処理技術やパソコンを使ったシミュレーション分析など、情報化社会に対応できるスキルも学ぶことが可能です。

 

奨励金給付や助成金活用などのメリットもある

受講期間は宿泊研修を含み10か月間となり、他の受講生との交流やグループディスカッションなども経験しながらヒューマン・ネットワークの構築が可能です。

また、物流経営士課程を修了し試験に合格した方には、全日本トラック協会から奨励金5万円が交付されますし、条件はあるものの厚生労働省の人材開発支援助成金も活用できることが大きなメリットといえます。