物流業界ではトラックの運転者不足が問題となっていますが、この人手不足問題を解消することにつながる可能性があるのが、トラック自動運転による運送効率化です。
深刻化する物流業界の運転者不足の背景を見つめていくと、いかにこのトラック自動運転実現が人手不足解消に期待されるかわかることでしょう。
そこで、自動運転実現への国内の取り組みや開発の動向などをご紹介します。
物流業界の現状はトラックの運転者不足という大きな問題を抱えているところですが、物流という分野だけでなく様々な業界や業種で人手が足りていない状況です。
ただ、物流業界の中でも運送業の労働者が不足しているという状況はかなり深刻であり、若者の車離れなど運転を仕事とすることを希望する方の数そのものが激減しているといえます。
運送業者は少しでも多くのドライバーが欲しいと募集を出しても、運転業務を仕事としたいと考える人自体が年々減少傾向にあることが運転者不足の原因です。
そもそも日本は少子高齢化が進み、若い働き手自体の数が少なくなっています。今運送業を支えているのは多くが50代であり、今後10~15年後にこの世代がリタイアしていけば、トラックのドライバーはいなくなってしまうかもしれません。
このような背景で運転者不足解消に期待が高まるのが自動運転の存在で、国や民間の企業が協力しながら、自動運転を実現させることに向けて開発も進んでいます。
実現に向け国土交通省もロードマップを発表し、5つのレベルに分けて段階的に実証を繰り返し実現させようという方針のようです。
自動運転の段階的な実証とは、まずレベル1とレベル2はドライバーが監視することを必要とするものであり、特定の条件の下での自動運転機能とされています。
レベル3では条件は付きますが、自動パイロットというすべての運転タスクを実施する段階へと発展します。
そしてレベル4では特定条件の下での完全自動運転となり、限定された地域で無人自動車運転を実施するというもの。レベル5になるとついに高速道路で完全自動運転を実現させることになります。
当初、レベル3とレベル4を2020年、レベル5は2025年に実現させることを目指していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって今後の予定は変更がある可能性も考えられます。
ただ、日本だけでなく世界の企業が自動運転実現に向け開発を進めているところなので、将来的に見てもそれほど遠い話ではないと期待できるでしょう。