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楽天がバス事業者とタッグを組み路線バスを活用した配送を開始!

2020.12.22
分類:その他

インターネット関連のサービスを主として展開している企業「楽天」。その楽天は配送サービス「Rakuten EXPRESS」を運営しており、物流業界でも大きな関係がある企業です。

20203月、そのRakuten EXPRESSと岡山県の両備ホールディングスが連携し、東備バスのバス路線網を活用した貨客混載配送を岡山県岡山市と瀬戸内市で本格的に開始しました。

客車列車に荷物車を連結させる貨客混載は鉄道などで従来からありましたが、公共交通による貨物輸送は過疎地域などに限定されていることが多く、県庁所在地などではめずらしい取り組みです。

路線バスを活用した配送の流れと効果とは?

今回、Rakuten EXPRESSが路線バスを活用した配送の流れは次のとおりです。

①東備バス運営の路線バスに設置した通い箱にRakuten EXPRESSで運送する荷物を入れる

②岡山市東区の西大寺バスセンターから瀬戸内市の瀬戸内牛窓営業所まで輸送

③瀬戸内牛窓営業所から各配送先まで、東備バスのバス・タクシードライバーがRakuten EXPRESS専用配送車で配送

そもそも岡山市は、北側に中国山地、南側には四国山地がある起伏豊かな地形となっています。

住宅市街地は敷地が狭小で、さらに地域において複数の機関が分担し機能を担っている体制の面的整備で形成されている区域から、そうでない区域までいろいろあります。

瀬戸内市の場合、南側と東側は瀬戸内海に面しており島が点在している状況で、過疎化が進み人口は減少傾向にあるエリアです。牛窓地域は傾斜地となっているため、このようなエリアで路線バスを運送手段に活用できることにより、効率的な配送を可能とすることでしょう。

 

EC物流の健全化実現に向けた取り組みの一環として

楽天はインターネット通販を気軽に楽しむことが可能な総合ショッピングモール「楽天市場」を運営していますが、この楽天市場で包括的に物流・配送サービスを構築する構想が「ワンデリバリー」というものです。

EC店舗に向けた総合物流サービスである「楽天スーパーロジスティクス」に、先に述べた配送サービス「Rakuten EXPRESS」など、自社の物流機能を強化することを積極的に実施しています。

物流や配送が効率化されることで、EC店舗にも効率性を高めた状態で保管・出荷サービスを提供できます。

EC店舗の安定した運営に寄与することを実現するための仕組みであり、EC物流を健全化させることの取り組みといえるでしょう。

そして今回のRakuten EXPRESSによる路線バスを活用した配送も、そのワンデリバリー構想の一環とされています。