運送業界ホワイト化で疲弊困憊!業者とドライバーに問題となるコンプライアンスとは?

働き方改革関連法が施行され、コンプライアンスを重視した経営を!というホワイト化が進んでいます。
運送業界でも他人ごとではなく、現場ではコンプライアンス遵守による業者とドライバーが問題や課題を抱えている状況です。
そこで、運送業界でのコンプライアンス推進において何が問題となっているのかご説明します。
運送ドライバー特有のコンプライアンスが存在する
トラックによる貨物輸送では、コンプライアンス内容の説明が必要です。そもそも労働基準法では、労働者を働かせるときには労働時間8時間に対し休憩時間を1時間取得させなければならないとされています。
しかし運送会社で働くトラックドライバーに対しては、さらに厳しいコンプライアンスが存在している状況です。
たとえば4時間運転後には休憩を30分取ることの他、原則として1日の運転時間は9時間以内におさめること。さらに前日出勤から翌日出勤までの間、休息を8時間以上取らなければならないなどです。
これらが主なコンプライアンスの例ですが、他にも複雑なルールが定められています。
関連法律のコンプライアンスの何が問題に?
これらのトラックドライバーに対し課せられた特有のコンプライアンスは、労働基準法によるものではなく貨物自動車運送事業法などの関連法律によるものです。
ドライバー特有のコンプラアンスの何が問題になるかというと、たとえばA市からB市まで長距離運行するとします。
この2か所の地点の距離がトラックで運行するには片道4時間弱かかる場合、1日がかりで往復できるか微妙といえる状況となるため、仮に渋滞などが途中で発生してしまえば9時間という制限を超えてしまいます。
もし1時間程度運転を続ければ帰宅できたとしても、途中のパーキングエリアなどでトラックを停め、8時間以上の休息を取らなければなりません。
家に帰宅するのは翌日になってしまうでしょうが、トラックドライバーに課されたコンプライアンスを遵守するとこのような状況となるため、運行計画をうまく立てながらこのような問題を避けるしかないといえます。
運送会社が考えるドライバーの心情
中には4時間ごとに休憩を取らなければならないのに、そのままトラックで運行し続けるドライバーもいるかもしれません。
法律で定められているとわかっており、運送会社からも指示が出ているのに違反してしまうドライバーの心情なども考えれば、実際には遵守を強く迫りにくい運送会社のジレンマも存在しているといえます。