ビジネスでは取り扱う商品を工場や倉庫に運ぶこと、そして生産者の元へ納品するといったことが必要です。
この移動のことを、物流や流通、商流といった言葉で示すことがありますが、それぞれ違いはあるのでしょうか。
生産者が生み出した商品を、販売者などを伝い消費者のもとに届ける一連の流れが流通です。
インターネット通販などで商品が消費者に届くまでの流れは、販売店が生産元から商品を仕入れ、店舗に運ばれた商品に対して消費者が注文をかけ、購入・代金の支払いが行われた後に販売元から消費者に配送されます。
代金が支払われた時点で商品の所有者は消費者となりますので、もし代引きサービスなどが利用された場合には、その料金が配送業者に支払われるまで商品の所有者は販売店ということになります。
この流通がなければ、いくら生産者がモノを生産しても、商品として販売されることはないのです。
販売店も生産されたモノが届かなければ、販売したくても売ることができませんし、消費者も購入したいと思っても手に入れることはできないということです。
流通は「商流」と「物流」に分けることができます。それぞれ取引の流れをあらわす言葉ですが、商流とは流れでは、受注・発注、出荷・入庫(在庫)、保管、販売管理などがあります。
そして物流は、求められる量の商品が必要な場所へと運ばれていく仕組みのことです。生産元から倉庫へ、発注された商品が生産元の倉庫から販売店へなど、モノが運ばれる流れのことといえます。
なぜ商流と物流という流れに分かれたのかというと、商品を求める側と販売したい側の差が関係します。この差を埋めるためにも流通活動が重要となるのです。
具体的に流通に関係するギャップとは、人、場所、時間の3つです。
もし消費者が商品の特徴や内容、メリットなどに魅力を感じるとしても、商品として生産されているものがあることを知らなければ購入することさえできません。商品を認知してもらうことが重要なので、そのために広告や宣伝という活動が必要なのです。
さらに消費者が購入したいと思う商品であっても、販売されている場所が限定されていれば買い求めに来てもらうこともできません。
そして販売される時期まで、一旦商品を保管する場所も必要ですし、すぐに売り切れるわけでないのならやはり保管しておくことが必要になります。
このような時間差を埋めるため、自社で倉庫を準備することや、貸し倉庫などを利用することも必要です。様々なギャップを、すべて埋めるのが流通です。流通を上手く利用することによって、ビジネスを成功させる確率を高めることが期待できるといえるでしょう。