2019年4月18日、国土交通省は日本ではじめて鉄道とタクシーを組み合わせた「貨客混載」をスタートさせました。
そしてここには宅配便業者と鉄道だけでなく、タクシーも流れに加わることとなりますが、どのような流れで荷物が運ばれることになるのか、それによりどのようなメリットがあるのか確認しておきましょう。
今回は佐川急便とJR北海道(宗谷線)がタッグを組んで宅配貨物輸送を効率化させるという取り組みで、佐川急便としてはドライバーの運転時間を年間417時間削減できたり、トラックから排出させるCO2を年間3.8t低減させる環境にも優しい取り組みが可能となります。
また、JR北海道でも列車を有効活用できることで、新しい収入を確保できることに期待できるでしょう。
国土交通省では、物流業界が抱える人材不足、そして小口輸送の頻度の高さによるコストパフォーマンスの悪化などの問題を解消し、効率化や省力化、それに加え環境負荷を低減できることを推進するため、2以上の連携で行う物流効率化の取り組みを支援しています。
今回認定された佐川急便とJR北海道の貨客混載もその一環の1つです。
旅客鉄道を活用した貨客混載は全国で複数の路線により、これまでも取り組みは存在しました。
しかし鉄道とタクシーなど、複数の旅客を組み合わせるのは初で、より物流が効率化されることが期待されます。
主な流れは、北海道の佐川急便稚内営業所から宅配貨物の一部をJR北海道の稚内駅で旅客列車に積み込み、幌延駅まで輸送した後でタクシーを活用するというものです。
タクシー業者である天塩ハイヤーの従業員が荷物を運んで、荷物をタクシーに乗り換えさせた後、一旦は天塩ハイヤー本店に持ち帰り仕分けを行い、従業員が佐川急便のジャンパーを着用して配達先に届けるという流れです。
貨客混載はだんだんと地方で広がり始めており、働き手が少ないエリアや利用者数が減少している旅客などが人材や収入を確保する上で効率的な取り組みとして検討されつつあります。
現在、インターネット通販などが普及したことで物流に対するニーズは高まっているのに対し、深刻なドライバー不足に悩まされる宅配便業界の悩みの解消にも繋がるといえるでしょう。
配達するドライバー数が荷物の増加に追いついていない状況や、過疎化が広がるエリアの人材不足や利用者数不足などにも対応できる取り組みとして注目されているのです。