アマゾンといえば今では誰もが知るECサイト企業ですが、多くの方が利用するのは運送にかける時間を短縮し、配送までのスピードをあらゆる段階でイノベーションしているからです。
取り扱う商品も様々であり、当初は本や雑誌など書籍だけの扱いだったものが、今では家電製品から食品など日常生活に欠かすことのできない用品まで取り扱っています。
今のペースで配送業者を増やし続けていけば、アマゾンは実質的に巨大な運送会社になりつつあるといえるでしょう。
アマゾンは世界規模で多くの荷物を配送しており、生産者である中国やインドなどからアメリカや欧州の倉庫に商品を届けるときに発生するコストを下げるため、自社コンテナ船・トレーラー・ジャンボカーゴジェットなどを所有しています。
長距離輸送の荷物を自社管理することによって、配送にかかるコストを削減しているのです。
自社運用するトラックの台数は1万台以上あり、アジアからの貨物コンテナ船用貨物スペースも借りています。
それに加えカーゴジェットの稼働など、アメリカ北部を中心として輸送機による輸送ハブとなる施設開設にも向けて取り組みを行っているようです。
さらにアマゾンはAI管理による物流会社になろうとしている動きもあり、空路や地上で重量貨物などの物流サービスを提供する世界最大の企業フェデックスなどは、手深刻な脅威と認識し始めたのか2019年の半ばに米国内でアマゾンの荷物を配送しないと発表しています。
四大大手IT企業をGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)といいますが、アマゾンもこのGAFAの1つです。
IT業界だけでなく世界の政治経済に影響を及ぼしていると企業たちといえますが、その一角であるグーグルも、新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済の落ち込みから、2020年4月にはマーケティング予算50%削減を含んだ経営計画の大幅な見直しや採用抑制を発表しました。
しかしアマゾンはグーグルと同じGAFAでありながら、数週間で17万5000人の従業員を追加採用するといった動きを見せ、2020年度第2四半期に発表された決算報告はアマゾン26年の歴史の中で過去最大となる金額でした。
コロナ禍でもアマゾンの独り勝ちとなり、アマゾンの脅威から逃れることができる業種は皆無ともいえます。
運送業界にも大きく影響を与える問題であるため、今後はさらにアマゾンの動きから目を離せないといえるでしょう。