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船を使った運送である内航海運とは?

2021.07.05
分類:その他

船を使った内航海運業とは、一般貨物船やタンカーなどを使って、セメント・石油・コンテナ・鋼材などを国内輸送する事業です。

内航海運業法という法律で、船舶により物品を運送することとなり、船積港と陸揚港はどちらも国内にあるものとされています。

国内の港と港を結び、産業基礎資材や石油、生活に欠かせない食料品や日用品などの貨物を運ぶのが内航海運の大きな役割です。

国内での海上運送が内航海運

人々の暮らしや産業が発展する上で、大きな役割を担う大動脈といえるのが内航海運です。

日本国内の貨物輸送に内航海運だけでなくトラックや鉄道なども利用されていますが、大量の貨物を一度に長距離輸送できることが特徴であり、地球環境にもやさしい輸送機関といえます。

24時間365日休むことなく、産業基礎資材の約8割を運んでいることが特徴です。

石油製品・石灰石や原油などの非金属鉱物・鉄鋼など金属・セメントなど窯業品・硫酸やソーダなどの化学薬品・砂や砂利など骨材・自動車などの機械・石炭といった8品目の貨物輸送の8割を占めています。

また、日用品や生鮮食料品など、様々な貨物の品質を保ちつつ、安全・効率的に各種専用船が運んでいることが特徴です。

 

内航海運で貨物を運ぶメリット

海洋汚染防止と人命安全における対策は、国際条約による取り決めがあり、それぞれの国で国内法に組み入れられています。

内航船は条約に基づいた設備を装備しており、船内で廃棄物が発生しても規則に従い処理されています。

衝突予防装置など、航海する上での安全を保つ設備の他、船員の労働軽減に向けた自動化装置なども取り入れて安全な輸送が可能です。

また、省エネルギーは世界的な課題となっていますが、国内の貨物輸送においてもエネルギー効率が良好な輸送を目指すことが重要視されています。

内航海運の場合、1トンの貨物を1キロ運ぶため必要とするエネルギー消費量は、たとえば事業用トラックと比較すると5分の1程度にまで抑えることが可能になるほど効率的です。

 

トラックから内航海運へのモーダルシフトも進みつつある

日本の輸送手段として多く利用されているのがトラック輸送ですが、過度な依存で騒音や二酸化炭素排出に伴う環境問題、さらに道路の混雑や事故などといったトラブルも起きてしまいがちです。

このような問題やトラブルを解消させようと、トラック貨物の一部を内航海運や鉄道へ振り替えるモーダルシフトも広まりつつあり、地球にやさしい輸送方法への期待が高まっているといえるでしょう。