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国境を超えた荷物の運送には関税が課税される?

2021.07.18
分類:その他

関税とは、国境を超え輸送される商品に対し課税される税金または課徴金のことを指しています。

同じ国の中、またはヨーロッパ連合など、単一の関税の同盟の中で商品が輸送されないときには、関税当局が適切な輸入関税と消費税を支払う責任を負うこととなります。

荷物の運送において関係する部分でもあるため、関税についての取り決めを事前に把握しておきましょう。

関税の金額はどのように決まる?

どのくらいの関税額がかかるかというと、課税対象となる荷物の評価額に基づき算出されることになります。

課税品には統計品目番号(HSコード)という分類番号が付されることとなり、対象となる荷物が贈り物かは関係なく、仕向国の関税法による輸入手続きを経ることが必要です。

対象となる荷物はその目的ではなく、発送国と金額、数量に基づいた通関手続きを行うこととなり、課税対象であれば関税が課税されます。

なおHSコードは世界関税機関が定めており、今も進化を続けています。

 

関税を納めるのは誰?

関税・消費税は受取国の税関で徴収されるため、支払う責任は受取人にあります。

ドイツの国際輸送物流会社DHLなどは、受取人に代わり税金を負担し、配送前や配送の際に受取人から料金を受け取るという形式をとっています。

DHLは税金の支払いが完了するまで荷物を届けることができませんが、関税・消費税の課税対象となるかは荷物が到着した後に、受取国の税関当局が判断します。

関税・消費税は、売手が買手に対し正確な適用税率や消費税額を伝える書類であるインボイスに記載のある内容品目・申告価格・重量などで決まります。

インボイスとは具体的に、区分記載請求書に登録番号・適用税率・消費税額などの記載が追加された書類のことです。

売手(登録事業者)は、買手(課税事業者)からの要求により、インボイスを交付することが必要とされています。

買手は仕入税額控除の適用を受けるために、売手の登録事業者から交付されたインボイスの保存が必要です。

また、買手自らが作成した仕入明細書にインボイスに記載が必要な時効が記載されており、取引相手の確認を受けたものを保存することでも仕入税額控除を適用することが可能とされています。

 

荷物が贈り物かどうかは関係ない

仮に受け取った荷物が贈り物だった場合、それでも関税を支払う必要があるのかと不満を感じることもあるでしょう。

しかし荷物が贈り物か否かは関係なく、仕向国の関税法による輸入手続きを経なければならないとされています。

贈り物の金額がその国の基準金額を上回るときには、関税と消費税を支払うことが必要です。