運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業界でも様々なニーズに対応できるのが航空貨物の特徴

2021.08.21
分類:その他

運送業界の中でも、多様なニーズを満たし安全・安定し運送を担うのが航空貨物です。

生鮮食品・医薬品・精密機器・動物・車・美術品・救援物資など、航空貨物で輸送されるものは多岐に渡りますが、いずれも相応の輸送品質が求められます。

そのニーズに対応する航空貨物の市場は、世界経済や新興国発展に伴って成長していくことが予想されているといえますが、具体的にどのような特徴があるのかご説明します。

様々なニーズに対応できる

たとえば半導体製造装置を運ぶ場合、精密な機械のため輸送中はできる限り振動を抑えなければなりません。

動物を輸送するのなら、輸送している間に負担やストレスがかからないよう、温度や換気にも十分に注意することが必要です。

そして災害が発生したときには、被災地に救援物資を輸送することになりますが、緊急性を有することなので迅速な対応が求められます。

これらのニーズにも、航空貨物であれば十分に対応できるでしょう。

 

航空輸送は厳しい制限が設けられている

多頻度で迅速に輸送できる航空輸送は、人々の生活にも欠かすことのできない物流といえます。

その一方、航空機と空港を利用することになるため、国ごとの航空法や国際航空運送協定(IATA協定)などで、船舶を使った輸送よりも厳しい基準が設けられています。

搭載可能とする重量とサイズの制限

航空貨物輸送に使う航空機は、旅客機の下部にある貨物室を使用するケースもあれば、すべてのスペースが貨物用になっている貨物専用機を使うケースに分けることができます。

通常のカートン梱包の貨物の場合、旅客機と貨物専用機のどちらでも搭載可能ですが、高さが150cmを超える大型貨物などは旅客機に搭載できないことがあります。

また、貨物専用機の場合でも、ドアは通過できても天井・側面が湾曲していることで搭載できない場合も考えられます。

搭載可能重量やサイズは航空機材や貨物の形状により違ってくるため、大型貨物の場合には事前に航空会社や航空貨物フォワーダーに確認することが必要とされています。

申告価格の制限

多くの航空会社や利用航空運送会社(フォワーダー)は、受託貨物の価格制限を設けています。

申告価格が10万米国ドルを超えると、事前に取り決めがなければ運送を引き受けない航空会社もあります。

また、航空機1機で運送する1件(または複数貨物の合計)の申告価格を200万米国ドルまでという受託貨物の価格制限もあります。この制限を超えるときには2機以上に分けて搭載することになりますが、制限とする価格は航空会社や利用航空運送会社により違うため、事前に確認が必要です。

危険品

爆発性・易燃性のあるものや、人や飛行機の運行に危害・支障を与えものなど、危険品として輸送できないとされるものもあれば、適切な梱包や数量制限によって安全と判断されれば輸送できるものがあります。