運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業界ではサブシステムの1つといえるドローンを使った実証が進んでいる

2021.10.18
分類:その他

人や物を移動させ、場所・時間の価値を生み出す経済行為を輸送といいますが、物流のサブシステムに限定し定義すると、トラック・鉄道・船舶・航空機といった輸送手段を使って貨物を一定距離移動させることといえます。

長距離移動は輸送、短距離移動は配送と使い分けることもありますが、いずれも物流のサブシステムにおける輸送手段を必要とします。

その輸送手段として、あらたにドローンが加わることにより、今後の運送業界を大きく変えることが期待されています。

ドローンは新たな輸送手段になるのか

無人航空機である通称ドローンは、空の産業革命といわれ新たな可能性のある技術として、今後は運送業界でも注目されることとなるでしょう。

すでに空撮や農薬散布、測量、インフラ点検といった様々な場で広く活用されていますが、過疎地といわれる離島や山間部などに対する荷物配送でも活用する方向に取り組みが進んでいます。

さらに都市部でも物流や様々な産業分野で幅広く使われることにより、ドローンの利便性を享受する業種や産業は増えていくでしょう。

政府も2022年度を目安に、ドローンによる有人地帯での目視外飛行(レベル4)を実現させることを目標としているため、実現に向け様々な企業が現在技術開発や研修を進めているところです。

物流での活用することを想定した運行管理システムでは、物流事業者から「オペレータ(UASO)」を通じた飛行計画情報を「運行管理サブシステム(USASSP)」が受け、飛行計画の申請を受けている「運行管理統合サブシステム(FIMS)」が、気象情報や計画段階での飛行可否について判定・承認するようです。

送信された情報からドローン同士が接触しないような事故予測を察知し送信する仕組みで、システムによりドローン全体が管理され安全飛行を可能とする計画になっているとされています。

ラストワンマイルでドローンが活用されるようになれば、軽い荷物や短距離輸送はドローンに任せることが可能となり、個配が増えている物流・運送業界の負担軽減につながるでしょう。

他にもKDDIなどの運航管理システム構築に向けた取り組みなども注目されます。モバイル通信でのクラウド連携や遠隔監視・制御を実現させる4G/5Gとドローンを合わせたスマートドローンがその例です。

今後は運送業界にも様々なシステムや技術が導入されるようになり、すでに実装や試行も始まっているため、ドローンが空を飛び交う姿を目にする日もそれほど遠くないと考えられます。