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「路線便」と「チャーター便」では集荷から運送・配達の流れがどのように異なる?

2022.04.12
分類:その他

荷物の輸送方法に「チャーター便」がありますが、「路線便」の場合には荷物の集荷から配達まで他の荷物と合わせて運ばれます。

しかし「チャーター」は「貸し切り」を意味するため、「チャーター便」で1台のトラックを貸し切り出荷人の荷物を配達先へと届けます。

そこで、荷物を預かり配達まで貸し切りで行われる「チャーター便」とはどのような運送方法なのか、その特徴について解説していきます。

他の荷物と相乗りになる「路線便」

「路線便」は「特別積み合わせ貨物運送」という正式名称で、「積み合わせ便」や「混載便」と呼ばれることもあり、1台のトラックに複数の出荷人の荷物を載せ運ぶ輸送方法を指しています。

たとえば電車やバスを乗り継ぎ目的地へと向かうのと同じような荷物の運び方となります。

出荷人から集荷された荷物が運送会社の拠点へと運ばれ、出荷人近隣の発拠点に届いた荷物は、次に目的地の方面ごとに仕分けされます。

そして届け先の最寄りの着拠点に運ばれ、着拠点で荷物が下ろされ、さらに配達先ごとに仕分けが行われて、配達先に届けられるという流れです。

荷物を集荷し配達先に届くまで、他の荷物と一緒に運ばれることが路線便の特徴です。

料金を抑えたいなら路線便のほうが得

路線便は、複数の出荷人に荷物も一緒に運ぶため、トラック1台の値段ではなく輸送距離と重量による料金が発生しますが、トラックを貸し切るよりも料金は安く抑えることができます。

さらに定期的に運行するため、一般的な宅配便と同様、出荷人がトラックを手配しなくてもよいのはメリットです。

ただし拠点間を移動したり積み替えたり、仕分けをするといった工程を経て荷物が届けられます。

そのため輸送事故などはトラックを貸し切るよりも発生しやすくなり、さらに他の荷物と一緒に運ばれるため時間帯の細かな指定ができないことがデメリットといえるでしょう。

 

貸し切りで荷物を運べる「チャーター便」

チャーター便は「貸切便」とも呼ばれており、トラックには1社または1人の出荷人の荷物のみが積み込まれます。

積み込まれた荷物は、拠点を経由せず、出荷場所から配達先へそのまま運ばれるのもチャーター便の特徴です。

荷物の破損リスクを抑えたいなら「チャーター便」がよい

チャーター便の場合、荷物が口割れしたり破損したりといったリスクを抑えることができます。

荷物をトラックに載せれば、その後、積み替えや仕分けなどの工程は発生しないからです。

さらにどの拠点も経由しないため、短い配達時間で荷物を届けることができ、細かな配達時間の指定もできます。

その反面、荷物の量が少ないときには、路線便を使用するときより割高になると考えられます。

チャーター便ではトラック1台あたりで料金が決まり、荷物の量では料金は変わりません。