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トラック事故多発!横転や追突事故を防ぐためには

2016.07.28
分類:その他

トラックが事故で横転した場合、巻き添えになった一般車両や追突された家屋は破壊されるなどトラックよりも相手側の損害が大きくなるケースがあります。そして道路を走行するトラックは、複数の荷主から荷物をそれぞれの届け先に配送して空いたスペースには次の荷物を積む効率化により、荷物が乗った状態で走っています。そうなるとトラック業務は、対物と対人、そして荷物に対してのリスクが常にある状態です。

 

 

事故そのものに関係する人たち以外にも影響が

 部品配送の場合は指定された時間までに届けることが義務化されているので、トラックの事故が起きると荷物の配送の遅延やそれによって生産現場に影響を与えるなど、多大な迷惑をかけることになります。トラック事故そのものに巻き込まれた人たちだけでなく、それに関わる人たちの業務や暮らしにも影響を与えることになるのです。

多発するトラック事故の件数

 全日本トラック協会の統計によると、事業用トラック1万台あたりの死亡事故件数は4.5件です。稼働率が高いためその分事故率も高いのは当然でしょうが、タクシーやバス1万台あたり死亡事故件数が2.7件という数字から考えた時に高い件数であるとは否定できません。人身事故に占める死亡事故の割合も、事業用トラックは1,000件あたり17件が死亡事故ですが、自家用トラックは9.1件、タクシーやバスは2.3件なのでやはり高い件数です。平成25年の国交省の統計によると、事業車両での死亡者821人に対してトラックは697件という全体の85%を占めています。

トラック死亡事故の種類

 トラック事故での死亡原因の約6割は衝突です。衝突事故も正面、側面、追突、接触、物件などがありますが、トラックの場合は追突が半分以上を占めており続いて側面、正面と続きます。

追突だけじゃない横転の危険も

 例えば輸入貨物の場合、コンテナ内の積荷をバランス良く積んでいない場合やしっかりと固定されていないことが原因で事故が発生する場合があります。しかし輸入コンテナの場合、貿易契約上トラック輸送中も輸入コンテナ貨物の所有権は荷主のため日本で確認することができません。開けられないコンテナが原因でカーブに入る前に横転限界速度を超えるとトラックはそのまま横転してしまいます。もしも限界速度を超えなくても、積荷の上智アによっては法定制限速度内で走行していたとしても横転する可能性があるのです。

リスクが高い状況に対応できる備えを

 このようにトラックには様々なリスクが取り巻いている状況です。事故が発生すれば運転していたドライバーだけでなく、一般車両、建物、その中にいた人たち、そして荷主など色々な人に影響を与えることになります。万が一の時のために、リスクに対応できる備えを準備しておく必要があるでしょう。