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違法行為で労災による死亡事故が発生した場合のペナルティとは?

2016.08.05
分類:その他

法に反して死亡災害などが発生すればテレビや新聞などマスコミで報じられることになります。現在コンプライアンス経営に重要性が叫ばれているため、法令違反が原因で労働災害が起きた場合には社会からの目は厳しいものになります。信用は失墜し、最悪経営難や事業を継続することが難しい状況に陥ることにもなるでしょう。

 

 

また、重大な災害になればマスコミを通じて災害が起きた時の状況や事故が発生した原因、再発防止に向けてどう取り組むかなどを説明する責任があります。

労災事故が発生した場合のペナルティとは

 労働災害が発生した場合には、被災した労働者やその遺族が安全配慮義務違反や不法行為責任について損害賠償を請求してくることになる可能性があります。労働災害の場合には労災保険給付が行われますが、精神的苦痛に対しての慰謝料などは労災保険から給付されません。休業した場合に被災した労働者が受け取れる労災給付は、特別支給金を含めたとしても給与の約8割までです。そのため被災した労働者は労災だけでは済ますことなく民事上の賠償責任を企業に求めることになるでしょう。賠償額が高額であれば企業は経済的損失を強いられることになります。

企業が負うべき行政責任

 さらに建設業の場合には国や地方自治体の競争入札に参加できなくなるといった指名停止措置が行われることがあります。労働災害は経営の面でも大きな影響を及ぼすため、事故が起きない体制づくりが重要となります。

労災かくしを行う企業も

 労災事故が発生すれば企業は様々な打撃を負うことになります。労災保険は事故件数が多くなれば保険料が上がる場合がありますし、入札に影響が出たり損害賠償責任など様々な負担を負うことになります。そのようなリスクを回避しようと、事故の存在を隠そうとする行為が存在します。しかし労災を隠す行為は犯罪で取り締まりの対象となりますので、労働災害により労働者が死亡もしくは休業した場合などには労働基準監督署まで必ず報告をしましょう。

労働災害を起こさないために

 労働災害防止のためには労働安全衛生法や関係法令を守ることが基本です。企業が行う必要のある危険防止に関する措置が労働安全衛生法令には定められています。そして企業の規模や業種に応じた安全衛生管理体制の整備、安全衛生教育を実施することに関してのルールなども示されていますのでしっかりと熟知しておく必要があります。

違法行為や労災事故を防ぐために

 労災事故が起これば事故の調査や再発防止に向けての対策費用、そして事業が復旧するために費用や時間などが必要になりますし、イメージダウンや信用の失墜といった様々なペナルティを負うことになります。そして事故を負った労働者、その家族の未来にも大きく影響してしまいますので、事故が発生しないように企業はしっかりと対策を整備しておく必要があります。