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物損事故なら違反点数は関係ない?罰金や処罰の内容は?

2016.10.21
分類:その他

物損事故は人に損害が一切発生しなかったものの、物に損壊が発生した事故のことをいいます。例えばガードレールや標識などに衝突したという自損事故も物損事故に該当します。

 

 

物損事故の違反点数はゼロ?

交通事故を起こした場合には免許の点数や反則金などの行政責任、懲役や罰金などの刑事責任、損害賠償などの民事責任の3種類の責任が発生します。物損事故の場合には行政処分と刑事処分に該当せず事故扱いにはなりませんが、状況によっては処分の対象となる場合もあります。

物損事故でも違反点数が加算される場合もある

物損事故で点数が加算されるケースは、当て逃げをした場合と家屋やビルなどの建造物を損壊した場合です。刑事処分は検察に起訴された際に責任が課されますが、必ずしも刑事責任が発生するというわけではありません。

物損事故を起こしたら必ず警察へ報告を

道路交通法では、物損事故も人身事故も物損事故も交通事故に定義されています。さらに事故当事者には道路交通法で緊急措置義務や警察への報告義務が定められています。警察に事故の連絡をしなかった場合には、当て逃げと判断されることとなり行政処分と刑事処分の対象となります。

・当て逃げによる処分の内容

当て逃げをした場合には、反則行為による基礎点数(1~35点)に付加点数(5点)が加算されます。基礎点数は範囲が大きいですが、飲酒運転などの違反以外は安全運転義務違反として2点が加算されるケースが多い傾向です。さらに懲役1年以下もしくは罰金10万円以下という刑事罰の対処となります。

・建造物を損壊した場合の処分の内容

建造物に損害を与えた場合にも行政処分と刑事処分の対象となる場合があり、反則行為による基礎点数に付加点数(重過失3点、軽度2点)が加算されます。さらに6か月以下の禁錮もしくは10万円以下の罰金という刑事罰の対象です。

物損事故でも民事責任は発生する

物損事故の場合には基本的には行政責任と刑事責任は発生しませんが、民事責任については損害が発生していれば損害賠償責任を負うことになります。物に損害を与えた分は加害者が賠償することになりますので、もしもの時のために備えておくことが必要です。

物損事故では自賠責保険は使えない

物損事故は物に対して損害を与えた事故ですので、対人専用の保険である自賠責保険は一切使えません。任意の自動車保険のうち、「対物賠償保険」に加入しておく必要があります。

対物賠償保険とは?

自動車保険を契約している車が事故を起こし、相手の車、家屋、壁など他人の物を損壊させた場合に負った法律上の損害賠償責任を補償する保険が対物賠償保険です。信号機やガードレール、電柱、電車、店舗なども補償の対象に含まれます。

・ただし対物賠償保険の補償は時価額まで

対物賠償保険の保険金を無制限で設定していたとしても、損害賠償は時価額までになります。そのため必ず相手の修理代が全て賄えるかといえばそうではないためトラブルになるケースもあります。その場合には「対物超過修理費特約」を付帯しておくことでさらに大きな備えとなります。