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運送会社を守るための運送委託契約書とは?

2018.04.11
分類:その他

荷主や元請などから、伝えられていた運賃を後から値引きされたり、運搬が終わった後で一方的な運賃が決められたり、また、約束した運賃の支払い日が守られない場合や追加運賃が支払われない、附帯業務を無理に頼まれるといった無理難題を押し付けられていませんか?
口約束の契約だけではこのようなトラブルに発展しやすくなるので、運送業を営むのなら自分たちを守るための契約の書面化を検討する必要があります。


口約束だけで済ませるのは危険!
トラック運送業の場合、取引内容を書面化せずに口約束だけで済ませてしまう慣行があります。
しかし運送会社自身を守るためにも契約を書面で残しておき、運賃や行うべき附帯業務が明確にすることや、無駄な手待ち時間を削減させるようにしましょう。
運送の委託は下請法や物流特殊指定・独占禁止法の適用がありますので、契約書として残すことで不当な取引を証明することもできます。
ただし単に紙に書けばよいわけではなく、運賃などの重要事項を盛り込んだ内容にすることが必要です。


どのように書面化する?
取り決め事項には期間中に大きな変動がないものから、運送の都度変わるものまであります。契約の当事者は基本的に変わりませんが、積込や荷卸しの日時や場所は変化する可能性があります。
そのため変化の頻度や程度に応じて、基本契約書、覚書、発注書の3種類の書面を作成しましょう。


運賃および附帯業務などの料金設定は?
事前に運賃・料金を決めて書面に残せば不当な減額がされにくくなるはずです。
原油価格の変動で運賃を見直すには、基本契約書ではなく覚書に規定したほうが良いでしょう。
手待ち時間の追加料金には「車両留置料」を設定し、無駄な手待ち時間を抑制することも検討してください。
また、燃料サーチャージも規定しておくことで、軽油価格の変動のたびに交渉する手間が省けます。
原価データ、配送ルート、附帯業務の実態などを十分に把握し、資料として提出できるように準備した上で適正な利益が確保できるような内容を盛り込むことが必要です。


附帯業務の内容は?
附帯業務の内容はできる限り具体的に記載しましょう。
それによって記載のない業務は拒否できりうようになるので、配車の際にはルートを無理なく組むことができるはずです。


貨物の破損の責任は誰が負う?
また、貨物の破損などのトラブル発生時のルールを設定しておくと、解決までに余計な労力を割かなくて良くなります。
荷主が準備してくれる契約書の多くは、運送業者に過大な責任を負わせる内容になっていることが多いので、内容を把握して運送会社に責任のない延着や貨物の汚損・破損は賠償責任を負わない条項を追加で盛り込むように協議しましょう。


自社を守るためには契約の書面化を!
なお、運送委託契約は独自の事情を反映させたものにすることが最も重要です。
専門家などに相談しながら作成することが望ましいと言えるでしょう。