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個人貨物運送業者の一人親方が労災保険に入るには組合への加入が必要?

2018.04.23
分類:その他

事業に雇用されている労働者の生活の安定と福祉の向上を目指す制度に「労働者災害補償保険」があり、本来は保険に加入できない事業主でも入ることができる「特別加入」という制度を設けています。


加入できる事業主とは?
ただし特別加入するためには、年間100日以上労働者を雇用しているという要件があるため、自分だけで仕事をしている一人親方などは加入できないと判断されます。
それでは一人親方は保険に加入することができず、生活の安定や福祉の向上がされないということになってしまいますが、他の労働者と同じように仕事をしている人が安心して労働者災害補償保険の恩恵を受けることができるように「一人親方制度」が設けられていますので安心です。


一人親方制度を利用したほうが良い理由
貨物運送などが業務上の災害を発生させる確率は、製造業や建設業に続く高さです。交通事故以外にも、挟まれ事故や転落事故などが発生しており、危険性の高い業務を行っていると考えられます。
そのため労働者補償保険を有効に活用して補償を得ておくことは大切なので、一人親方も加入を検討しましょう。
一人親方が労働者災害補償保険に加入するためには、一人親方組合に加入する必要があります。


保険に加入した時の給付制度は?
一人親方組合に加入し、保険に入れば業務中のケガなどが治癒するまで診療を無料で受けることができます。
また仕事を休んで4日目からは、休業1日につき給付基礎日額の60%相当額が支給され、休業特別支給金20%相当額も支給されます。
ケガが治った後に障害が残った場合、第1級は313日、2級は277日というように、程度に合わせて給付基礎日額分の年金が支給されます。
仮に万一亡くなってしまったという場合は、遺族の数に応じて遺族年金や遺族特別支給金が支給されます。


保険料はどのくらい支払う?
なお、保険に加入するために支払う保険料は、給付基礎日額(1日あたり受けられる補償額)について、法定の特別加入保険料算定基礎額表にある範囲から実態に合う額を自分で選ぶことになります。
最低3,500円から最高25,000円までの範囲で決めることになりますが、給付基礎日額が低すぎないように決めなければ実際に給付を受ける時に受ける補償が低くなってしまいますので注意しましょう。


未加入の場合はぜひ検討を!
一人親方は労災保険の対象ではありませんが、業務の実態などで業務災害に対する補償を受けるのにふさわしい人たちが多くいます。
そこで、本来の労災保険制度の建前を損なわず、利用できる制度が一人親方の特別加入制度です。まだ未加入の場合には、組合と保険に加入することを検討してください。