運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送会社で物流用語として使われる「横持ち」とは?

2018.04.26
分類:その他

運送業界で使われる用語に、「横持ち」という言葉があります。これは社内や構内等で荷物を運ぶことで、工場や店舗、支店など、社内の拠点同士で荷物や商品の移送を行う輸送なので、「横持ち輸送」と呼ばれることもあります。
なお、社内の拠点間輸送以外でも、自社工場と倉庫間というように拠点内における作業スペース同士の貨物の移動を指して使うこともありますが、いずれにしても、本来の届け先以外に荷物を移動する業務のことです。
この横持ちは、できれば行わないほうが良いとされています。その理由は何なのか、確認しておきましょう。


横持ちに含まれる作業とは?
ターミナルやコンテナの保管場所や、駅や倉庫などで、人や機械を利用して物を運んでいるのを見かけることがありますが、これらの作業も横持ちに該当します。
基本的に横に移動するという意味なので、荷主から配達先までトラックによる運搬が理想ですが、荷主から一度、営業所などに寄り道をして配達先へ荷物を運ぶ場合なども横持ちに含まれます。


なぜ横持ちは行わないほうが良い?
配達先に荷物を運ぶ途中で細い道を通らなければならない場合、大型トラックでは通行できないので一旦営業所に立ち寄り、小さめのトラックに荷物を分類して運ぶといったことで使われています。
ただし最短距離で運ぶことができない上に、他のトラックに荷物を移し替えなければならない手間と時間が必要になるので、出来るだけ横持ちは行わない方が良いと認識されています。


最近の運送業で見られる横持ちを無くす取り組みとは?
最近では物流センターを集約し、全国に点在した拠点倉庫が統廃合されるなど、横持ち輸送を削減して集荷の輸送効率を向上させることを取り組みとして行う企業も少なくありません。
環境負荷を削減することにも繋がりますし、商品のセット配送などで効率的な輸送を実現し、逆送などによる無駄な輸送は無くすことができるでしょう。
作業の効率化、さらに無駄な経費削減という意味でも、取り組むべき問題と考えられます。


今後は運送業で取り組むべき問題として
自社工場が複数同県に集中している場合など、数を縮小して物流センターに集約し、物流センター間の重複した在庫保有がなくなれば、横持ち輸送や不要不急の生産などを削減できます。
輸送効率が向上すれば、それに伴い環境荷物の負担、さらにコスト削減が可能となるため、商品のセット配送や逆流の削減に取り組んでいくことが求められるでしょう。