運送業が抱える人手不足の問題は今後解決される?
宿泊業や介護業、ITエンジニアニングなど、人手不足の危機にある業界は様々ですが、運送業もそのうちの1つです。
人手不足は起きる原因として、重要と供給のバランスが崩れることが挙げられます。限られた人材の数は変わっていないけれど、需要が高まり仕事量が増えると業務は追いつかない状態になってしまうからです。
また、仕事量は増えていないけれど人材が定着せずに退職してしまうなどでも人手は不足しますが、運送業が抱える人手ふそくはどちらが大きな問題となっているのでしょう。
運送業界の人手不足を考察してみる
運送業はどちらも該当する業界といえますが、特に需要が増えていることでの人手不足が深刻です。
トラックの積載効率が悪い中、アマゾンや楽天などのネットショッピング市場が成長したことで宅配便取扱数は増加しています。
それに加えてトラック運送業特有ともいえる荷待ちなどの問題が、業務効率を悪化させています。
制裁効率が悪化している
国土交通省「平成28年 宅配便等取扱個数の調査」によると、トラックの最大積載量から実際行った輸送量を割った数値である積載効率は1台あたり約41%です。
ここ数年間、わずかにこの数値が悪化しているのは人手不足が進んでいる状況の中で、荷室の半分以上は空のまま走っているトラックが多いことを示します。
さらに運送業界特有の、荷物を受取って納品するまでの待ち時間である荷待ちの時間は、現在長時間化している傾向にあります。
荷待ちによりドライバーが長時間拘束される
ドライバーはその場で待機することが求められるため、いくら時間短縮を心かげたとしても拘束される時間が増えれば、結局長時間労働に及ぶ可能性があります。
ひどい時には到着してから他のトラックが列を作って待機していることで、4~5時間ほど待たされることもあるといわれています。
しかし、荷主からは追加料金などが支払われるわけではないので、ドライバーの収入に反映されることもありません。
このような労働環境の悪化が、人材を定着させられない理由の1つになっているとも考えられます。
業務全体の変革が必要
トラックの積載効率の悪さにドライバーが抱えることになる荷待ち時間での負担、その環境の中でネットショッピングが多く利用されるようになり需要は高まる一方では、運送業界が抱える人手不足が解消されることは難しい状態です。
運送業界では、単に人手の数を増やすことだけ考えるのではなく、運送業者を利用する荷主となる企業、そして受取主となる消費者などを巻き込んで業務全体が変革されることが必要だと考えられるでしょう。