運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送契約にも様々な形がある!物流でなく人を運ぶ運送の場合は?

2018.07.06
分類:その他
物品を運送することを約束する対価として報酬を受取る(支払う)契約を締結することを「運送契約」といいます。これは物品の運送だけでなく、旅客の運送でも同じことです。 陸上、海上、航空など、運送がどこで行われるかによって異なりますが、たとえば移動手段として日常的に利用されているバスや電車なども運送契約に含まれます。

電車を利用することで契約を結んでいる?

一般の人が電車などに乗る場合、運送契約を結んでいるとは自覚していないでしょうが、目的地まで運んでもらい、運賃を支払うという仕組みは運送契約に基づいて行われます。 電車の場合、鉄道会社などが定めた契約内容を承諾した上で乗車券を購入して電車に乗っていることになりますが、実際、どのような契約内容になっているのか把握できている人は少ないかもしれません。 ・万一トラブルが生じたときに契約内容が問題に 契約内容まで知らなくてもトラブルなどが起きなければ何も問題はないでしょう。しかし電車の遅延などにより、乗車券を購入した費用の払い戻しを主張する人が出てきた場合などに契約内容が問題になります。 乗車券を購入するためにかかった費用の払い戻しは、どのような条件で行われるのかなど運送契約の内容に記載されているはずだからです。

鉄道会社では約款を用意している

それなら事前に鉄道会社と利用者が運送契約を取り交わし、電車に乗るたびに調印したほうがよいのかというとそうではありません。 電車は多くの人が利用するため、乗車のたびに契約書を取り交わすのは効率が悪すぎるといえるでしょう。 そこで、鉄道会社では事前に契約内容を定めた「約款」を用意しています。約款内に様々な規定をしておき、電車を利用する人は約款の内容に承諾して乗車するという形であるという考え方です。 ・約款はどこで確認が可能? 約款は駅の事務所などにあるはずなので、見せて欲しいといえば見せてもらうこともできます。運送条件を確認することは鉄道会社が契約する人の持つ権利であり、断ることは当然できないと考えられるからです。 万が一トラブルが起きた場合には、約款に従い対応が行われることになりますので、時間があるときには確認してみるとよいでしょう。

物流とは違った形の運送契約も知っておくこと

鉄道会社は約款を変更する場合、電車を利用する人たちに承諾を得る必要はありません。乗車券を購入した段階で、電車を利用する人は約款に同意したものとみなす付合契約が用いられています。 しかし、約款で電車を利用する人が不利な立場にならないように、定期的に監督官庁が約款を確認し、不適切な問題がある場合などは訂正するような指導が入っているようです。 一般の物流貨物などとは違う形の運送契約ですが、このような形の契約もあると理解しておきましょう。