運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

現在運送業がかかえる問題は物流の歴史が関係していた?

2018.07.11
分類:その他
現在、運送業では人手不足や過重労働など、労働者に対して様々な問題を抱えています。しかしその問題は、これまでの物流や運送業の歴史が関係していたともいえます。その理由は何なのか、過去から現在まで歴史をたどりながら確認してみましょう。

はじめてトラック輸送ができたのは?

現在、道路にはたくさんのトラックが走っていますが、物流業界は主にトラックでカバーされているといっても過言ではありません。 トラック輸送が営業化されたのは、明治時代までさかのぼります。当時は馬車が陸運の中心だったので、トラック輸送のニーズは低く、第一号としてトラック輸送を始めた会社は倒産しました。 大正時代に入ると第一次世界大戦の特需景気や関東大震災の復興輸送など、トラック輸送は最盛期を迎えます。しかし、今度は日中戦争が起きたことで民間の物資が不足したことで、軍事的なものを除いたトラック輸送も低迷していきました。

緑ナンバートラックが増えた時期は?

昭和に入って戦後は、自家用トラックが中心でした。 トラック輸送は自家用トラックと営業用トラックに分けることができます。 自家用トラックの場合、自分の貨物を自らが所有するトラックで輸送しますので事業として輸送するわけではありません。白いナンバープレートのトラックは自家用トラックです。 対する緑色のナンバープレートのトラックは営業用トラックです。 こ営業用トラックのシェア数は1965年にトラック全体の半数以上となり、現在の輸送の主流となりました。なお、宅配便が始まったのは1976年です。

コスト引上げやサービス多様化という問題

高速道路など幹線道路が整備されていくことで、自動車の迅速性や機動性、確実性という部分のメリットが評価されるようになり、トラックによる貨物運送は大きく拡大したといえるでしょう。 2008年のリーマンショック以降も物量が減少し続けていますが、規制緩和にともない新規参入が続いて競争は激化し、輸送コスト引き下げやサービス多様化という状況です。 二次や三次下請けの中小零細運送会社の場合、中間マージンが差し引かれるので元運賃の6割程度しか運賃を収受できません。

現在の問題視されていることに至るまで

また、トラック運送の事業形態には「一般貨物自動車運送事業」「特定貨物自動車運送事業」「貨物軽自動車運送事業」の3種類にわけることができます。現在に至るまで、様々な歴史を繰り返した運送業ですが、物流の歴史は自動車輸送の歴史ともいえるでしょう。 ただし、現代の産業の要請に巧みに応えて続けてきたことで、今では運送業界で働く人材が不足していたり、一人にかかる労働の負担が増え、過重労働等に繋がっていたりなど、様々な問題を引き起こしてしまっているともいえるでしょう。