物流における機能は様々!物流会社と運送会社の違いとは?
運送業界における物流とは、工場や生産地や工場から消費者に対し、迅速に物を届ける仕組みのことです。
その中でも輸送、配送、運送の機能が重要になりますが、どれも似た言葉ですが定義や意味が異なります。
そこで、物流におけるこれら3つの機能、さらに物流会社と運送会社の違いについて確認しておきましょう。
物流における機能は3つ
輸送、配送、運送と、意識しなければ混同して使ってしまいがちな言葉ですが、物流においてはそれぞれ厳密に定義が異なります。
□輸送
輸送とは一次輸送のことで、最初の地点から次の地点まで長距離の移動を伴って運ぶことを指すので、例えば工場から物流センターや別工場へ物を運ぶことなどが該当します。
□配送
配送は二次輸送とも言われる言葉で、小口輸送を近距離で行う場合に使います。ある地点から複数の場所に物を届けることを指すので、例えば物流センターから小売店やエンドユーザーなどに物を運ぶことが配送です。
□運送
そして運送はトラックを使って輸送や配送を行うことです。そのため、船舶や航空機を使って物を運ぶ時には運送という言葉は使いません。
輸送や配送も、大きなくくりにすると運送ということになりますが、物流においては敢えて使い分けています。
物流会社と運送会社は何が違う?
では運送会社と物流会社にはどのような違いがあるのでしょう。
イメージとしては、トラックを使って貨物輸送を行う会社が運送会社であり、運送会社よりも広い規模で保管や荷役、流通加工や包装まで行うのが物流会社と考えられます。
また、トラックのみの事業は運送会社、センターを構えて中規模以上で事業を行うのは物流会社と考えることもできるでしょう。
実際の定義はもっと別のところにある?
しかし、実際の運送会社と物流会社の定義は、規模や機能で分けるのではなく、運賃削減を決めることが可能なのが物流会社で、決められないのが運送会社とされています。
物流会社なら荷主企業に儲けてもらえることを考え、荷主の問題点を考えた上でコスト削減の提案ができるため、運賃の上げ下げに一喜一憂しなければならない運送会社よりも選ばれやすくなると言えます。
運送会社の問題は今後解決できるのか
荷主が支払う物流コストと運送会社が受け取る運賃は表裏一体の関係です。運送会社は受取る運賃のことが最優先になってしまいがちですが、やはり物流会社のように物流コストを考える物流会社の姿勢も取り入れなければならないでしょう。
そうはいっても運送会社は人手不足など問題を多く抱えています。実現させることは容易なことではないと言えます。これから国の制度などが改善され、運送会社が事業を継続しやすい状況になるのか期待されるところです。