運送委託契約を結ぶ時の契約書は印紙税法上どの文書に該当する?
運送委託契約を結ぶ場合、作成する業務委託契約書に印紙が必要なのか迷うこともあるようです。
「委託契約」であって、「請負契約」に該当しない場合には印紙は必要ないと解釈されますが、印紙の必要性は契約書のタイトルではなく、契約書の内容によって決まります。
表は「委託契約書」となっていても、中身は「請負契約書」の内容の場合もありますので、タイトルだけで判断しないことが大切です。
印紙税法の文書の種類
領収書や請負契約書の場合、収入印紙が必要になるので、タイトルを変えれば印紙を貼らなくてよいだろうと考える方もいるようです。しかし、印紙税が課税されるかどうかは、課税対象になる文書の内容になっているかで判断します。
そのため、運送委託契約書の中身が、印紙税法に定める何号文書に該当するのかを特定しましょう。
印紙税法では、文書の種類として第1号に「運送に関する契約書」、第7号に「継続的取引の基本となる契約書」の定めがありますので、このどちらかに特定されるでしょう。
なお、第2号にも「請負に関する契約書」の定めがあるので、運送委託契約も請負契約の一種と考えれば、第2号文書に該当する可能性もあるのでは?と思うかもしれません。しかし、第1号に掲記していることで、第2号文書としては取り扱わないことになっています。
第1号か第7号かはどのように判断する?
運送委託契約書が第1号文書なのか第7号文書なのかを判断する場合、契約金額が記載されているなら第1号文書、記載のない場合は第7号文書と特定されます。
ただし、契約期間が3か月以内であり、更新の定めのない文書は第7号文書には該当せず、例え契約金額が記載されていなくても1号文書に特定します。
第7号文書のほうが得?
第7号文書の印紙税は、一通一律4,000円と規定されているので、他の文書より印紙税を安く抑えることができることもあるかもしれません。
第1号文書との違いは、契約書内に記載金額の記載があるかないかで判断することになりますが、運送に関する契約書はどちらか迷うことが多いようですので注意しましょう。
具体的にはどのように判断する?
例えば、「運送料は1トンにつき5,000円とする」という記載は第7号文書、「契約金額は700万円とする」という記載は第1号文書の具体的な記載例として挙げられます。
単価のみの記載で具体的な契約金額が判断できない場合は第7号文書となり、明確に契約金額が記載してあったり、単価や数量で契約金額が計算できる場合は第1号文書として扱います。
また、印紙税が高額になる場合、2通のうち1通はコピーで代用するといった節約手法もありますので、無駄に税金を払わないような工夫をしていきましょう。