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運送業が抱えるリスクで問題なのはドライバーの健康リスク?

2019.03.01
分類:その他
運送業を営む上で、様々なリスクに対応するために保険などで備えることを検討する経営者の方もいることでしょう。 運送業のリスクといえば、自動車を使う業種のため交通事故、荷物を運ぶ時に生じる破損や誤送など、様々なことが考えられます。 しかし、運送業で今もっとも注視しておくリスクはこれらのリスクではなく「健康リスク」であることをご存知でしょうか。

ドライバーの健康リスクが問題とされる理由

仕事の負担が大きくなれば、ドライバーの健康は脅かされることになります。特に運送業は、人手不足が問題視されている業種であり、長時間労働などで人が定着しにくいイメージが先行してしまってします。 確かにこのような身体にかかる負担による健康リスクも問題ですが、それ以上に問題なのは、ドライバーなどはモノを運ぶことが仕事のため、単独で行う業務がほとんどであるという部分です。 上司や同僚とのコミュニケーションが物理的に少ない業務であり、それが健康リスクを高める要因と考えられています。 □誰に相談すれば良いか分からずストレスが拡大 抱えている悩みなどがあっても打ち明ける場がなかったり、人とゆっくり交流できる時間が少ないことで、身体的ではなく精神的な負担が大きくなりストレスを抱えているドライバーも少なくありません。

ドライバーの健康リスクを軽減させるために ドライバーが孤独になり、精神障害や心疾患などで不安定な状態にならないためにも、コミュニケーションをとることができる職場環境づくりも必要といえます。 また、労災事故を起こさないための健康状態の管理や労働条件の改善などを実施していくことを行いましょう。

労災認定されれば会社の責任

運送業は若い働き手が増えないことで、ドライバーの高齢化が問題となっている部分がありますが、もし高齢のドライバーが仕事中に心筋梗塞などで倒れたら、発症させるほどの過酷なストレスや労働時間でなかったのかが問われます。 急性心筋梗塞は、年齢を問わず発症する可能性もありますが、仕事での負荷が大きいと判断されれば労災認定される可能性は高くなるでしょう。

運送業が抱えるリスクは多種多様

交通事故をおこさないようにと社員教育は徹底できているのに、健康管理までは十分にできていないという運送会社も少なくなく、いざ、労災が発生してから事の大きさに気がつくのでは遅すぎます。 社員の健康を守ることは、会社を労災訴訟から守ることと同じです。労働環境だけでなく、健康を維持できる環境をつくることも必要といえるでしょう。