運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送会社が備えておきたい貨物に対する賠償責任をカバーする保険とは?

2019.03.14
分類:その他
小売業のEC化は現在成長過程にあるため、今後も宅配数はさらに増加することが考えられます。 宅配業者には誰もが耳にしたことのある大手運送会社の3社が9割を担うといわれていますが、いずれの企業の許容はすでに限界状態であるといえ、新たな対策が必要になるといえるでしょう。 大手も人員増加など様々な対策を講じている状況ではありますが、運送業界自体が人手不足であり、人材が見つかっても急激に増やすことは誤送や操作ミスなどを増やしてしまうリスクを高めます。 このようなリスクに対応し、スムーズに作業が進むために、加入しておきたい保険が「運送業者貨物賠償責任保険」です。

運送業者貨物賠償責任保険とはどのような保険?

荷物を運送・保管している時に、その貨物に生じた物的損害に対しての賠償責任を補償する保険が運送業者貨物賠償責任保険です。 輸送中の貨物の破損や盗難など、破損した貨物を弁償するためにかかった費用であることが基本ですが、損害防止費用、争訟費用、協力費用、請求権の保全・行使手続費用も補償の対象です。 なお、どのような契約方式で補償するかによって補償される内容が異なります。所有かつ運送事業に使っているすべての車両を保険の対象とする包括方式と、一部の車両を保険の対象とする個別方式がありますので、どちらの契約方式を選ぶかよく考えましょう。 □契約対象となる貨物とは 運送会社が受託した運送のすべての貨物が対象ですが、保険の対象とする輸送用具に積載された貨物に限る点に注意しましょう。なお、対象とする輸送用具として、登録番号や車両番号を特定することが必要です。 □補償対象となる事故の例 保険会社によってその内容は異なりますが、国内輸送中の危険を年間通じて補償される保険であり、トラックの車両ナンバーを特定した補償内容とされます。 火災や爆発、雨・雪などによる水濡れ、輸送用具の衝突、破損、盗難など、偶然の事故で生じた貨物への損害で発生した賠償責任が保険金支払いの対象です。 特約を附帯することで、第三者に対する賠償責任や、残存物取片付け費用、廃棄費用、臨時費用、検査費用など、様々な費用が補償されます。

賠償リスクに備えるために保険は必要!

どの業界でも事業を営む上で抱えるリスクは色々ありますが、万一に備えておくことで安心して経営を行うことができます。 そのために保険に加入する場合、支払うことになる保険料と補償のバランスを比較しながら、カバーしたいリスクに備えることができるか考えて契約するようにしましょう。