運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業者では任意保険や車両保険には加入せず自家保険という形を取ることが多い?

2019.03.19
分類:その他
現在、日本の運送業は安全に、そして迅速に、安くどこにでも物を運んでくれることを求められることが多くなり、運送業者間でも生き残りをかけた競争が激化しています。 そのような中、物を運送する途中で交通事故などが起きてしまった時のために、任意で自動車保険に加入しておくことが必要ですが、実際には大手や零細事業問わず、任意保険や車両保険に加入していないケースも少なくありません。

運送業者の任意保険や車両保険に対する考え方

安全運転を心掛けていても、常に自動車を使って業務を行う以上、いつどこで事故に巻き込まれるかはわかりません。 そのような状況においても、零細の運送業者などは保険に加入した後で発生する保険料の負担を懸念して、自動車保険に加入しないケースも少なくありません。 大手の運送業者などでは、保険会社に対して支払うはずの金額をそのまま社内でプールしておき、もし事故が起きた時には事前に設けておいた事故対策の担当者が示談交渉を行う方法を取っています。それにより、保険に加入するよりもかかる費用を抑える効果が見込めると考えられているからです。 中には車両の修理代など、事故の過失分は個人が負担するようにするといった企業も見られるなど、ドライバーが安心して働くことができない状況も見られます。

保有するトラック台数にもよる 確かにトラック台数が多いと、その分、保険料の負担は相当な金額になってしまいます。万一事故が発生した時も、保険を使って修理代を負担するより企業が自費で負担したほうがトータルで見れば安く済むこともあるでしょう。 車両に対する任意保険や車両保険への加入は、企業によって考え方が異なるため、何台トラックを保有しているか、かかる保険料や事故確率などを加味しながら加入するか決めているようです。

被害者に対する救済措置は?

しかしこのように運送業者が事故にそなえて自社で行う積立てである自家保険では、本来の任意保険における被害者に対する救済の目的を果たすことができるといえるでしょうか。 確かに任意保険や車両保険に加入すればその分保険料が高くなり、経費も削減できませんので自家保険のほうがメリットはあるかもしれません。 しかし、事故の相手に対する補償は自賠責保険で賄うことができても、ドライバーの補償までは考えられていないことになります。むしろ、車両の修理代は個人の過失により自己負担させるという運送業者の場合、被害者救済という意識はまったく持っていないとも考えられます。

任意保険や車両保険への加入は義務でなくても…

このように自家保険で備える運送業者が存在していても、現在では保険への加入義務や取り締まる法律などもありませんので、事業者の考え方1つという部分があります。 しかしドライバーが安心して業務に専念するためにも、任意保険や車両保険へ加入しておくことを検討するべきといえるでしょう。