赤字経営の運送会社が黒字化させるために必要なこと
運送会社の中には赤字経営で事業を続けているというケースも少なくありません。しかし、中には仕事が多く受注できていて黒字経営を続ける運送会社も存在します。それは、営業担当者がかなり優秀で配車係もテキパキと業務ができているなど、効率的な業務の流れが構築されていることが理由でしょう。
ただ、世の中には相場というものが存在し、これは運送会社の運賃、人件費、トラックの輸送原価などでも同じです。輸送原価相場が運賃相場より高めに設定されており、新車のトラックを買いリースや償却をしていけば当然赤字経営になってしまいます。
そこで、赤字経営を行う運送会社が、どうすれば黒字経営で事業を継続できるようになるのか確認しておきましょう。
物流にかかるコストを分析してみる
トラックは新車を買い、5年リースや5年償却していれば黒字にはならない運賃相場であることが一般的です。
そこで、物流にかかるコストを、輸送費、保管費、在庫費、梱包費、荷役費、物流管理人件費、流通加工費などの7項目ですが、この7つの項目についてどこか改善できる部分はないか確認してみましょう。
生産性を向上させるための数値を設定し、課題や目標を設定します。設定している運賃は高いのか、それとも安めなのか、燃費をどのくらい改善させれば利益が増えるのか、人件費率は問題ないかなどを分析することが必要です。
改善したくても八方ふさがりに?
現状を把握・分析し、売上と原価、利益を確認したら、生産性を改善させることを検討していきます。運送会社が利益を出そうと思えば、稼働日数や保有台数を増やすこと、間接コストの販売管理費を薄めることが必要です。しかし、ここで相場が障壁となり、思うように改善ができないケースも出てくるでしょう。
保有台数を増やすには車を購入しなければなりません。しかし、新車の場合、先に述べたように5年償却では赤字になってしまいます。
この八方ふさがりの状態で、赤字から脱却できない運送会社は少なくないでしょう。
経営を黒字化させるために必要なこと
仮にトラックの台数を増やすことが赤字にならないにしても、受注が少なければ意味がありませんし、ドライバー不足のままでは何も解決しません。そのため、まずは福利厚生も充実させるなどドライバー不足に陥らない環境づくりも必要となります。
さらに荷主は迅速さと丁寧さを求めてくるので、コストという企業にとって重大な課題を解決するためにも、荷主のニーズや立場を理解した上で協力できる仕組みを検討し、提案することも必要となるでしょう。