運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

大手の運送会社で庸車や下請けとして働く中小企業がほとんどの理由とは?

2019.03.29
分類:その他
運送業界では、業界の売上の多くは大手が占めている状況といえます。 一部の大手企業がほとんどの顧客から仕事の依頼を請け、そのまま庸車や下請けに仕事を流すといったピラミッド構造であることは周知されている事実です。 数万もの数にのぼる庸車や下請けのトラックこそが、日本の運送業界を支えているといえますが、このような特殊な環境となっている事情を把握しておきましょう。

庸車とは?

庸車とは、大手が引き受けた仕事を下請けや個人で運送業を営む事業者に依頼することです。大手の運送会社は、発生する固定費をなるべく下げようと、保有する車の台数に制限をかけ、繁忙期に突入して台数に不足が生じた時には、下請けや個人に依頼を行います。 荷主にとっては、緊急的な場合にも対応可能となる点や、計画的な配送を可能とすることです。 運送会社にとっても、安定した収入を得ることができる点はメリットとして挙げられるでしょう。ただ、孫受けより下の運送会社や業者の場合、収入を十分に得られなくなることは問題として考えなければなりません。

中小の運送会社が直接荷主と契約しない理由とは?

中小の運送会社の場合、直接荷主と契約を行わずに、大手の庸車や下請けとして配送業務を担い、売上を確保することがほとんどです。 ではなぜ、中小の運送会社は直接荷主と契約しないのかと思うかもしれませんが、しないというよりはできない事情があるといえます。 □配達を依頼されるのは大手であることがほとんど 一般の方が荷物を運んでもらいたいと考えた時、利用するのは大手の宅配便であることがほとんどです。 引越し業者に依頼する場合でも、やはり大手の業者のうち、どれを選ぶかで迷うことになるでしょう。この現象は、一般の方だけでなく企業も同じです。

大手が依頼を受けても庸車や下請けが業務を行う流れ

しかし、実際には大手に依頼しても、荷物を運ぶのは大手の庸車や下請けとして業務を行う中小の運送会社です。 昨今の働き方改革によって、自社の社員の労務管理を行うよりも、下請けに依頼したほうが手っ取り早くてスムーズと考える大手が多いからといえます。

中小の運送会社にとっては大切な資金源

大手メーカーや流通業界などの場合、自社系列の運送会社を使うこともありますが、知名度が低い中小の運送会社の場合、直接依頼してもらうことは少ないでしょう。 中小の運送会社にとって、大手からの依頼が大切な収入源となっていることはまぎれもない事実といえます。