運送会社の運賃値上げ問題は今後どのように変わる?

物流業界で頭を悩ませている問題は、配送料はどこまで上がるのかという部分のようです。消費税も増税となることで、まさに値上げラッシュともいえる状態がずっと続いていると感じている企業もあることでしょう。
物流業界の課題とされている配送運賃の値上げ問題については、日本経済の課題ともいえますので、運送会社の運賃値上げは今後改善される見込みはあるのか考察してみる必要があるようです。
運賃値上げで企業経営は改善されている?
宅配便事業を営む大手企業のヤマト運輸は、2017年4月に運賃を値上げしたことが今回の値上げラッシュのきっかけともいえますが、運賃値上げの翌2018年の3月決算では経常利益を約360億円出すなど、しっかり結果として残しています。
ただ、現場を支えているドライバーの給与に還元されたのかといえばそうではないようで、運賃値上げで儲けが増えているというわけではなさそうです。
恩恵を受けているのは物流業界の上流といわれるほんの一部の企業だけで、中小などは苦しい状態が続いているのです。
運んでもらうためには応じるしかない現状…
運賃値上げを運送会社から提案されたけれど、従来の1.5倍や2倍という提示価格にさすがにうなずくことができないという現場もあることでしょう。交渉しても互いに譲らず、値上げに応じないのなら運べないと言われてしまえば、提示された価格に納得するしかない状況です。
また、運賃が値上げされて運送会社が儲けているのなら、その分、運送会社の社員にしっかり還元されるべきなのですが、その流れができていないのは物流業界に限ったことではありません。
そもそもドライバーが不足している状態であり、運賃値上げにより利益を得ても、足らないドライバーを補うための費用に充てなければならないとも考えられます。
しかし社員に還元されず、給料が上がらないのなら消費も活性化されないので、いつまでたっても景気が回復したとはいえない状態が続いてしまいます。
運送会社の運賃値上げは仕方のないこと?
ただ、ヤマト運輸が運賃値上げを行う前までの運送業界は、20年や30年前の運賃での配送が常態化していたともいわれており、物価上昇に伴う価格などが運賃に反映されていなかったともいわれています。
そのように考えると運賃値上げは運送会社が事業を続ける上で必要な対応であり、ドライバーの負担を軽減するためにも必要なことといえるでしょう。
物流業界では人材不足が顕著化しているため、今後はこの人材不足問題を解消するためにも、値上げした運賃による利益がしっかり社員の給与に反映される流れが必要になると考えられます。