運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物流業界で使われる「物流」や「運送」の言葉の意味やその違いとは?

2019.12.25
分類:その他
物流業界では様々な似た言葉が使用されることが多く、何を指しているのか混同してしまいがちです。 例えば「物流」と「運送」という言葉も、同じ意味のように使われることもありますが、それぞれ具体的な言葉の意味は異なります。

「物流」と「運送」の違い

物流とは「物的流通」を省略した言葉であり、生産したモノを生産者から消費者に引き渡すまでの一連の流れのことです。 輸送、配送、保管、荷役、包装、流通加工、物流情報処理までの一連の流れを含む言葉であり、これらの流れのうち、保管、荷役、包装、流通加工、運送は「物流5大機能」と呼ばれています。 会社名に「物流」という言葉が使われるケースは、倉庫や梱包施設などを保有している企業であるなど、運送のみを取り扱う会社とは分けている場合もあるようです。

「輸送」「配送」「運送」の違い

生産者や工場から消費者にモノを引き渡す機能として、輸送、配送、運送があります。どれもやはり似た言葉に感じますが、厳密には異なる意味を持っています。 輸送は一次輸送と呼ばれる長距離のモノの移動のことで、工場から物流センターや別の工場にモノを運ぶ際に使われます。 配送とは二次輸送と呼ばれる近距離のモノの移動で、一時輸送よりも小口の輸送を指す言葉として用いられます。また、配送と輸送との違いとして、配送の場合は1つの地点から複数の場所にモノが移動する時に使われることが多いといえます。 運送はトラックを使ってモノの輸送や配送を行うことそのものを指す言葉なので、船や飛行機を使うと運送とは呼ばないということになります。さらにあくまでもモノを運ぶ時に使われる言葉なので、人を運ぶ時には使いません。

物流や運送へのニーズは高まっている状況なのに…

現在では直接店舗まで出向くことなく、インターネットを使って商品を購入することが可能となりました。 物流業界はデジタル化社会において占める役割が拡大されるようになり、物流や運送へのニーズも高まっている状態です。 迅速に運送を行うことが必要とされるようになり、労働者が休暇を取ることが難しくなるなど負担は増している状況ともいえます。 しかし物流業界、運送業界は人手不足が深刻化しており、日本の労働人口減少も伴い今後はさらにその深刻さを増すことが予想されています。 ただ、物流は産業の中でも欠かすことのできない重要な分野のため、この人手不足問題をどのように解決していくのか、その対応が急がれることとなるでしょう。