運送業界に求められるコンプライアンスとは何か?
運送業を営む事業所の数は増えているというデータもありますが、新型コロナウイルス感染症の影響で次々に廃業を余儀なくされる業界の中でも、比較的多忙な状態をキープしているのが運送業界です。
数が多いだけに、他社との差別化を図ろうと過剰なサービスに走りがちですが、コンプライアンスを重視した業務を行うことが大切といえます。
運送業のコンプライアンスとは?
コンプライアンスとは、法令や規律を守ることです。企業が健全に経営するために、業務の運営の遵法性を高め社会から信頼を得て確立させることを目的にしています。
法令違反をすれば社会的な信頼も失い、事業を存続させることにも影響が及ぶことになるでしょう。
そのためにもコンプライアンスを遵守することの重要性は高まっています。
さらに企業が抱えるリスクをどのように回避するのか、ルールを設定し運用していくための環境を整備することもコンプライアンスが重要視されるポイントといえるでしょう。
運送業に求められること
運送業界は地球環境と深い関係があるため、業務に使用する自動車から排出されるガス削減を目指す活動もコンプライアンスの一環といえます。単に利益を追求するのではなく、社会に与える影響など考慮したコンプライアンスの策定が求められている業界であるといえるでしょう。
そして地球環境だけでなく、交通安全も第一に考えることも必要です。
荷主のコンプライアンス違反に該当する例とは?
ドライバーは1日原則13時間以内、最大16時間(月293時間以内)の運転時間を守ることが必要です。
さらに連続して運転する場合には4時間ごとに30分休憩取ることが必要なので、600キロ以上など長距離を一人のドライバーだけが運行することは困難といえます。
余裕を持って運行スケジュールを設定することが必要ですが、その場合でも必ずしもコンプライアンス違反にならないとは限りません。
急な受注で荷主からの無理な要求にドライバーがこたえようとすることで、連続運転時間に違反することなども考えられます。その場合には荷主の責任を問われますので注意しましょう。
コンプライアンスを遵守するためにも、荷主からの要求が過剰になっていないか確認し、もし該当する内容があれば違反にならないため改善してもらうことが必要と考えられます。
必ず守らなければならないこと
運送業に安全を確保し事故を防ぐことはコンプライアンス上、最低条件といえます。
対応する上で必要となる人・モノ・金に加え、時間に余裕がないことや、対応していれば他社に負けるといったことで疎かにしていれば重大な事故を起こすリスクを高めると留意しておくべきでしょう。