車上渡しや軒下渡しなどの運送形態はどのようなことを意味している?
運送業界では軒下渡しや車上渡しといった言葉が使われることがありますが、何となくどのような意味かイメージできても具体的に説明できない場合もあるでしょう。
そこで、本来運送業界で行われている軒下渡しや車上渡しとはどのようなことなのか、それぞれの内容を説明します。
軒下渡しの意味とは?
軒下渡しとは、ドライバーが配送先の玄関や施設の入口などまで荷物を運ぶ配送形態のことです。
荷物を受け渡した後に、配送が完了したことを証明するために荷受人から印鑑や署名を受け取ります。
なお荷物を渡すのみであり、家や敷地の中で商品を設置することも組み立てることもありません。
対する車上渡しとは?
車上渡しとは、目的地まで荷物を運にますが、受け渡しはトラックの上で行います。
そのためドライバーは荷物を目的地まで配送しますが、荷下ろしからは荷受人がすべて行う形です。荷下ろしや搬入の手伝いはできない契約となるため、必ず荷受人には荷下ろしの作業を行う人員を複数手配してもらっておく必要があります。
大型の商品や荷物の場合、ドライバーが1人で荷下ろしすることは負担が大きいため、その負担を軽減する仕組みとして行われています。
軒下渡しと車上渡しは責任の範囲が異なる
軒下渡しと車上渡しは、荷物をどこで受け渡すのかという違いだけでなく、責任の範囲も異なります。
軒下渡しは荷物を目的地まで配送した後、ドライバーが荷下ろしを行いますので、そこまではドライバーの責任です。
車上渡しは荷受人がトラックなど配送車両を準備していれば、荷物を積み替えるまでドライバーの責任となります。ただし荷受人のいる場所まで荷物を運ぶのなら、目的地に配送するまでドライバーが責任を負います。
もし荷受人に荷物を引き渡した後で、落下した場合や破損したというトラブルが発生したとしても、ドライバーは責任を負うことがないため損害賠償請求されることもありません。
営業所止めという配送形態もある
他にも営業所止めという形で配送されることもあります。この場合には運送会社の営業所で荷物の受け渡しが行われます。
そのため荷物が重量物の場合などは、パワーゲート車やユニック車を荷受人に準備してもらうことが必要です。
届け先での荷下ろしや搬入は荷受人が行うことになるため、重量物の荷物の場合はフォークリフトやハンドリフトなど手配してもらっておくことも必要となるでしょう。