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運送業者が荷物を破損してしまったときに備えて加入しておきたい保険とは?

2021.10.06
分類:その他
預かった荷物が事故で損傷してしまったとき、誰がその責任を負うかというと運送業者ですが、そのような場合に備えるために保険に加入しておくことも必要です。 運送中や保管中、仮に何の落度がなかった場合でも、荷物を破損させてしまった場合には弁償しなければなりません。 荷物の価値により、損害賠償する金額は運送業者にとって大きな負担となるものですが、保険に加入しておけばその弁償費用などをカバーできます。

荷物の破損に備えて加入する保険とは

一般的に運送会社が預かった荷物の破損などに備えて加入する保険として挙げられるのは、運送業者貨物賠償責任保険です。 この保険は補償の範囲を広くした上で加入することも、一定のリスクのみカバーする形で加入することもできます。 ただし、骨董品・美術品・宝石・貴金属といった高価な物については、1梱包あたり最大10万円までの補償に限られるため、品目と価格を申告してもらい顧客側が費用を別途負担し運送保険をかけてもらうことになります。

弁償分以外の費用も特約付帯でカバーが可能

運送業者が預かった荷物を破損させてしまったとき、弁償するため損害賠償以外にも様々な費用がかかります。 そこで、次のような費用については特約を付帯することにより、それぞれ補償の対象となります。

第三者賠償責任担保特約

荷降ろし中、荷物を落としてしまったことで付近を歩いていた通行人にケガを負わせてしまったなど、何の関係もない第三者に対する損害賠償をカバーするのが第三者賠償責任担保特約です。

継搬費用特約

運送中、事故でトラックによる走行ができなくなった場合には、別途、代わりとなるトラックの手配が必要となります。この場合にかかった費用について補償するのが継搬費用特約です。

残存物取片付け費用特約

交通事故により荷物を破損させてしまっただけでなく、その荷物が路上に散乱してしまえば後片付けのために費用がかかります。 この場合の費用も残存物取片付け費用特約を付帯しておけば保険でカバーされます。

検査費用特約

たとえ事故が起きたとしても、必ず損害が発生するとは限りませんが、その確認をするための検査にも費用がかかります。 梱包した荷物を再度あけて壊れていないか、異常が発生していないかなど中身を確認し、もし何の問題もなければ再度梱包することが必要です。 この検査にかかる費用について、検査費用特約を付帯しておけば保険でカバーされます。