運送会社が行うドライバーに対する法定12項目による指導とは?
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運送会社は、ドライバーが交通事故を起こさず安全に業務を遂行するために、指導・教育を徹底して行うことが必要です。
中でも「貨物自動車輸送安全規則」では「法定12項目」が定められており、年間を通しドライバーに対し周知・徹底することが必要となっています。
なぜ法定12項目が定められているのか
国土交通省の告示では、法定12項目の指導・教育を行う目的について、ドライバーが運転や車に対する知識・技能・適切な自己判断を可能とするスキルを身につけることとしています。
確かに長時間、運転し続けるドライバーは、状況に応じ運転の判断を迫られることもあるでしょう。ときには雪や豪雨といった気象の変化で、通常の運転では危険となる状況も発生します。
突然、歩行者や自転車が飛び出してきたとき、とっさの判断で適切に対応しなければなりません。
交通事故を起こさず、安全に業務を行うためにも、運送会社が安全教育を実施することは欠かせませんが、どこまで実施すればよいかわからないという運送事業者も少なくありません。
そこで、運転や車に対する知識や技能、適切な自己判断を身につけるための教育として、トラックの指導監督指針12項目が設けられていると理解すればよいでしょう。
教育として実施する12項目とは
私道監督指針に規定されている項目はもともと11項目でした。その後、平成29年3月12日の免許制度改正により、新しく12番目の項目が追加されています。
その法定12項目とは、
1.事業用自動車を運転する場合の心構え
2.事業用自動車の安全運行を確保するための遵守事項
3.事業用自動車の構造上の特性
4.貨物の正しい積載方法
5.過積載の危険性
6.危険物を運搬する場合に留意すべき事項
7.適切な運行の経路および当該経路における道路および交通の状況
8.危険の予測および回避ならびに緊急時における対応方法
9.運転者の運転適性に応じた安全運転
10.交通事故に関わる運転者の生理的および心理的要因ならびにこれらへの対処方法
11.健康管理の重要性
12.安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法
となっており、国土交通省も公式サイトにも「運転者に対する指導監督の概要」として詳しい内容が公開されています。
参考:運転者に対する指導監督の概要
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/instruction.html
そして安全教育を行ったときには、その詳細を議事録として記録し、保存しておくことが必要です。
法定12項目は1年間ですべて実施し、開催日時や場所、その内容や参加者の氏名などを記録し、3年間は保存しなければなりません。
安全教育が行われていなければ行政処分の対象となるため、その点を理解し適切に実施するようにしてください。