物流倉庫内で行う業務を効率化させるために必要なロケーション管理。このロケーション管理とは、倉庫内の商品をピッキングしやすくするために保管場所を住所と番地で管理し、看板の設置やシステムで判別するなど、目で見てすぐ把握できるようにすることです。
ロケーション管理方法にも固定ロケーションとフリーロケーションがあり、何の商品を取り扱うかによってどちらを採用するべきか異なりますが、この選択を間違うと保管や出荷業務で発生するコストを増やしてしまうことになります。
あらかじめ決めておいた場所に同じ商品を保管する方法です。
同じものが同じところにまとめて保管されるようになるので、すぐに対象の商品を探しやすいことが特徴といえます。
フリーロケーションは保管場所を流動的に変更させることで、同じ商品でも保管する場所が変わります。
商品の判別が難しいものや、手作業で管理を行う場合は固定ロケーションのほうがミスを防ぐこととなるでしょう。
ただ、保管する商品の種類が増えれば保管できる場所が少なくなっていくので、スペース不足に悩まされることになります。
終売品の保管場所に販売中の商品を詰めるなど、無駄なスペースを増やさない工夫が必要になるでしょう。
フリーロケーションは同じ商品でも複数の場所に保管されることになるので、棚の空いているスペースから順番に保管していくといった形になります。
保管できるスペースが空けば順次そこに保管していくことになるので、保管するスペース不足に悩まされることはないかもしれません。ただ、どこに保管したのかわからなくなる可能性があるのでその点はデメリットになるでしょう。
保管スペースに顧客が直接足を運ぶ場合などは、利益性の高い商品を優先したり、商品の向きを調整して目につきやすいようにしたり、棚割は商習慣により保管スペースの効率性を無視したものになっていることも少なくありません。
ただ、たとえばEC物流倉庫の場合は保管スペースに顧客がくることはありませんので、そのような商習慣のしがらみはなく、保管スペースを効率的に作業しやすいように使うことができます。
取り扱う商品や出荷までに必要となる作業により、どちらのロケーションがよいか変わりますが、効率化を図るのならいずれかに縛られず、この2つを合わせた形にするといったことも有効です。
そして商品を取り扱う場合には、倉庫内で移動させるときに手袋の着用を義務付け、指紋を付着させることを防ぐといったことも必要です。
適した温度と遮光などまで気を配り、商品に不具合やトラブルが生じないような環境づくりと管理体制を整備するようにしてください。