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胃を切除した時に起きる後遺症とは?  

2016.05.11
分類:医療保険

胃の機能を失うことで起きる症状

 

 胃を切除すれば当然胃の機能を失ってしまいます。その時に起きる後遺症は「胃切除後症候群」と呼ばれる状態で、上手く対処していく必要があります。

 

 

胃切除後症候群の種類と対処法

 

胃は消化吸収を行うために大きな役割を担っている臓器で、一時的に食べ物をためてたんぱく質や脂肪の一部を分解するなどの働きが行われています。その胃を切除することでそれらの機能が失われるので、食事方法など工夫することが必要になります。

 

 

胃切除後症候群の症状

 

胃のどの部分をどれくらいの範囲で切除したかによって、胃切除後症候群の症状も異なります。

 

噴門部を切除した場合には、食堂に食べた物が逆流を起きるなど「逆流性食道炎」が起きやすくなります。また、幽門部を切除した場合には食べ物をためおく機能が失われることで一度に小腸へ流れ込むことで起きる「ダンピング症候群」などの全身症状が起きやすくなります。

 

胃切除後症候群は手術後早い時期に症状が現れる場合と、何年か経過した後に現れるものがあります。

 

 

・早期に症状として現れるもの

ゲップ、おなら、下痢、ダンピング症候群、栄養障害、貧血、牛乳不耐症、逆流性食道炎、逆流性胃炎などです。

 

ダンピング症候群の特徴

 

ダンピング症状は、胃切除手術を受けた人のうち15~30%の人に見られます。炭水化物が急に小腸へ流れ込むことで起きる症状です。食事中または食後5~30分くらいで動悸、めまい、倦怠感、しびれ、冷や汗などが現れる早期ダンピング症候群と、食後2~3時間でめまい、倦怠感、頭痛などが現れる晩期ダンピング症候群があります。ダンピング症候群を防ぐために、症状が起こりそうな場合にはすぐ飴などをなめたり、低脂肪・高たんぱく・低炭水化物の食事を摂るようにしましょう。

 

 

・何年か経過した後に起きる症状

胃切除後胆石、骨粗鬆症などです。

 

 

胃を切除した時の食事方法は

 

胃を切除した後は、小腸へ少しずつ食べ物を送るように攪拌して粥状にするなど、口で胃の働きをサポートする食べ方を心掛けましょう。唾液に含まれる消化酵素が食べ物としっかり混ぜ合わさるで、胃や腸にかかる負担を軽減することができます。

 

胃切除後症候群は一度にたくさん食べることができなくなり、すぐに満腹感を感じやすくなります。無理して食べると体調不良を起こすため、少しずつ食べる良く噛んで食べるようにしましょう。

 

食べてはいけないものは基本的にはありませんし、症状を緩和するための処方薬もほとんどの場合手術後1年経てば必要がなくなります。自分に合う食べ方や暮らし方を見つけてうまく対処することで日常生活にかかる負担を軽くすることができます。