経営者・従業員向け保険情報ラボManagement and Employees Information Lab

肺水腫とはどんな病気?

2016.05.19
分類:医療保険

呼吸には必要不可欠な肺と肺胞の働き

人は呼吸をしなければ生きていけません。鼻から空気の通り道は始まって、その気道は左右の気管支、そしてその先の肺へと繋がります。
肺の内部に入った気管支の先は枝分かれして細くなって、その先端が肺胞という小さな袋状の構造物になっています。ブドウのふさのようになっており、酸素を取り込み不要な二酸化炭素を排出するガス交換の機能を担っています。
肺胞の周りには網目状に毛細血管が取り巻いていて、血液と空気の間で酸素と二酸化炭素が交換されます。


肺水腫とは

肺水腫とは、肺胞を取り巻く網目状の毛細血管から血液の液体成分が肺胞の中まで滲み出した状態です。肺胞の中に溜まった液体が酸素の取り込みを邪魔するため、呼吸不全などを起こす場合もあります。


肺水腫の症状

主な症状は呼吸困難で、息苦しさや息切れ、喘鳴、咳、血痰、喀血、顔面蒼白、意識状態の悪化などが見られます。


肺水腫の種類

肺水腫には2種類あり、心臓の左心室から血液を全身へ送り出す力が低下することで肺に血液が過剰に溜まることで起きる原性肺水腫、心臓以外の疾病(重症肺炎、敗血症、重症外傷など)に引き続いて生じる非心原性肺水腫があります。


肺水腫の治療

心原性肺水腫か非心原性肺水腫で治療法は異なります。肺胞内に溜まった水分を除去するために利尿薬や肺の炎症を抑える薬による治療が行われます。他にも酸素投与や人工呼吸器を用いる場合などもあります。


肺水腫を予防するために

肺水腫を完璧に予防することは今のところ難しいのですが、リスクを軽減させることはできます。次のようなことで予防の対策を行いましょう。

・規則正しい生活習慣を
肺水腫だけでなくどのような病気にも言えることですが、日々健康的に生活を送ることが病気を遠ざけることへと繋がります。特に心臓の疾患が原因になる肺水腫の場合、心臓に負担をかけないための生活が大切です。喫煙を控え、適度な運動、そしてバランスの取れた食生活などが基本になります。

・ワクチンを接種する
心臓の疾患や肺炎などの場合は肺水腫を起こす可能性があります。そのためこれらの病気の予防が肺水腫の予防に繋がるという見解から、インフルエンザや肺炎予防のワクチンを接種するという方法も予防対策の1つとして認識しておきましょう。

・定期検診を受診する
定期的に健康診断などを受診して、もし異常がある場合でも早期発見ができる状況を作っておくことが大切です。気になる症状がある場合には、医療機関を受診するなど積極的な行動が早期発見の鍵になります。特に慢性の心臓病がある場合などは定期的な医師の診察を欠かさないようにしましょう。