骨折をして、骨が粉砕していた場合や、骨のずれを正しい位置で固定する為に金属製のプレートや、ワイヤー、ボルトなどを用い骨折合術というものを行う事があります。
この時に骨に入れた金属製のインプラントは海外ではそのままにしておく事が多いのですが、日本では様々な問題から抜く手術を行うケースが多くあります。インプラントを抜く手術について詳しくみていきましょう。
骨折合術で使われる事が多いインプラントは、チタンや合金、ステンレスでできています。近年は、素材開発によって丈夫さと軽量化を兼ねたものが多く用いられています。
体内に入れたままでも問題はありませんが、画像検査などで金属が写ってしまう事や、空港の金属探知機に引っかかる、40年程度しか持たない、インプラントがあたり痛みがある事などの理由から日本ではインプラントを取り除く手術をするのが主流となっています。
骨がつながった事が確認できたら、インプラントを取り除く「抜釘手術」が行われます。手術はインプラントが骨だけでなく肉にまで付き、抜きにくくなることから、できるだけ早くに行う事をお勧めします。
抜釘手術は多くの場合1泊2日または、2泊3日程度で行われる事が多いです。簡単に抜ける人は、約10分~15分程度で手術は終わるそうです。また術後のトイレなどの心配もないため、骨折時の手術よりは気楽に受けられるかもしれません。
2泊3日程度の入院の場合(大部屋)7万円~8万円程度で済み、日帰りや局部麻酔での抜釘手術の場合は、2~3万円程度で済むようです。
更に医療保険に加入している人は、保障内容によっては抜釘手術も給付金が下りる場合がありますので確認しましょう。
抜釘手術は、これから40年以上生きる可能性の高い人や、固定手術後に骨折部位に痛みや違和感がある人、体力に自信がある人、体を動かす仕事やスポーツを趣味でしている人などは抜釘手術をした方がよいでしょう。
ただ、抜釘手術は公的医療保険の適用範囲外になる為、全額自己負担になりますのでその点は注意しておきましょう。
しかし、安全であると言っても異物に違いありませんし抜くことで、動きがスムーズになったり、痛みもなく、安心して毎日を送る事ができるのは大きいでしょう。
抜釘手術は、医療保険の適用外になる為手術費用等は全て自己負担になりますが、それでも固定手術を受けた約8割程度の人は抜釘手術を受ける事を選択しています。
高齢になると手術する事で体に大きな負担がかかります。できるなら固定手術から1年~1年半を目安に手術を受ける事をお勧めします。