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医療費の負担を調整する!医療保険の前期高齢者医療制度とは?

2018.05.01
分類:医療保険
前期高齢者医療制度とは、65歳~74歳までの高齢者を対象にした被用者保険と国民健康保険間の医療費負担を調整するための制度です。医療制度上前期高齢者と後期高齢者の2つの医療制度がありますので医療制度や医療費負担について詳しくみてみましょう。

【前期高齢者医療制度の仕組み】

前期高齢者医療制度は、65歳~74歳までの約1,500万人が対象になるもので医療費は6.1兆円にものぼります。また75歳以上の方は後期高齢者医療制度に属することになります。 前期高齢者医療制度は、後期高齢者医療制度のような独立した制度ではありませんが64歳以下の方とは少し異なるものですのでしっかりと理解しておきましょう。 自己負担割合は、70歳未満は3割ですが70歳以上は2割負担となります。費用の捻出は、加入者の割合が全国平均よりも上回る場合は調整金を受給し、下回る場合は調整金を拠出するようになっています。

【3割負担になる人とは】

前期高齢者医療制度で、3割負担になる高齢者は現役並みの所得がある人です。医療制度でいう現役並み所得とは、下記のような人を言います。 ・住民税課税所得が145万円以上の被保険者が世帯にいる ・被保険者が70歳以上であり、その標準報酬月額が28万円以上である 上記のどちらかに該当する人を現役並み所得がある人と言い自己負担が3割負担となります。 ただし例外として、被保険者が1人の場合で前年中の収入が383万円未満、被保険者が複数いる場合前年中の収入の合計が520万円未満の人は市区町村窓口で申請をすれば現役並み所得ではないと認められ2割または1割負担となります。 この適用を受けるためには、自分で申請をしなければなりませんので注意しましょう。

【後期高齢者医療制度】

後期高齢者医療制度とは、75歳以上の人もしくは65歳以上の寝たきりの人が対象となっており自己負担割合は1割となっています。費用は、公費が5割、現役世代からの支援金が4割、高齢者自身の保険料から1割となっています。 後期高齢者医療制度の保険料徴収は、年額18万円以上の年金受給がある場合は介護保険と同様に年金から天引きされるようになっています。

【まとめ】

近年は、元気な高齢者が増えているため高齢者の定義にさまざまな議論が行われていますが、年齢を重ねるごとに健康状態に個人差が出るのも事実です。 このような状況を考えると、加速する日本の高齢化に向けて年齢だけによる区分ではなく個々の健康状態に合わせた医療制度が必要になってくるでしょう。